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2005年7月25日 (月)

一瞬の光(白石一文)

今はアメリカへ向かう飛行機の中です。今回は一番後ろの席だわ、夜間ライトが故障しているわ、えらく揺れるわ、温度設定はえらく低いわ、口内炎は痛いわで堪ったものではありません。特に夜間用のライト故障は読書が出来ないというのは、長距離フライトを纏め読書の時間としている私にはとても大きな問題でして、周りが明るいうちにあわてて読んだ一冊で終わりです。

その一冊は、「一瞬の光」(白石一文)です。この本、去年読んでいたのですが、この出張のための本の纏め買いの時に気づかずに買ったものです。改めて読むと、まあ出来すぎのところはありますが、「無償の愛情」というものをそれなりにうまく書き出していると思います。対比としての社内抗争が主人公を無私の境地に導いているでしょう。実際には、更にどろどろした抗争に入っていくような気もしますが、まあそれは小説ということで。ただ、自分自身はこんなエリートでもないんで、社内抗争なんてのには無縁なだけに、「そんなもんかなあ?」とボーっと思うだけですね。

ただ、途中の性愛表現(特に後半)はちょっとくどいかな?エロ自体ははっきり言って大好きですが、このようなもう少し大きな意味での恋愛小説では、出来る限り性愛表現をなくしてもらいたいと実は考えています。あと、これも小説だから、というのはありますが、こういう小説に出てくる女性がいつも綺麗で才媛で床上手ってのはちょっと。

このような本を読むとやはり自分自身で愛情のことを考えるのですが、このような無償の愛情を掛けることが出来る一番身近な存在はやはり家族では。この本の途中で「俺は女房も子供も愛することが出来なかった」といって妾に甘えた末に自殺する男が出てきます。人間が掛けられる愛情の範囲はもしかすると決まっているのかも知れません。自分は家族を本当に無償に愛しているのか?これからも今以上に出来るのか?今までの色々な自分に降りかかったことを考えると、このことを考えるのは無駄ではないようです。

最後の方での香折への独白に近い問いかけは、言うことを聞かない子供への親の問いかけにもなるでしょうし、老いた親への慰めにもなるんでしょう。

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» 一瞬の光@白石一文 [NO ・・・,NO LIFE]
一瞬の光 : 白石一文 著 (★★★★★) 税込価格 : \780 出版 : [続きを読む]

受信: 2005年9月30日 (金) 12時03分

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