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2006年12月18日 (月)

ストーンズと同僚(本当にたわごと)

今日ちょっとしたことで、同じ会社の同期入社の奴を思い出しました。

もう今では入社して20年にもなり、たいがいデカい面して会社にいますが、大阪の大学から東京に出てきた時には、まだまだ可愛いものでした。で、会社の寮にいましたから、地方出身者が集まっているわけです。

当時の寮は、まだ7畳に二人というもので、なんのかんので淋しい同期が部屋に集まってきます。私は酒を飲まないので、あんまり付き合いをしていなかったんですが、なぜかその中の、柳沢慎吾のような背の高い奴とだべっていることが多かったんですな。

ある日、寮の風呂に入っていると、そいつと一緒になり、グダグダだべっていました。

彼「あんな、俺この前、足の甲のイボを切ってな、鬱陶しかったでえ(大阪弁で)」        私「お前、悪い病気もらってんじゃねえの?ええい、寄るな寄るな」

なんて下らない会話をしていたわけです。

ところが、そいつがある日、いなくなりました。あんまり気にかけてはいなかったんですが、別の同期に聞いたら、

「あいつな、骨肉腫でどうも駄目らしい」

えっ......。

前の風呂での会話、あれはそうだったのか?その後、ご両親が会社を辞めて、寮の前の社宅に入られて看病を始めたことも聞きました(もう当時は私は寮を出ていた)。

で、それから一年ほどしたある日、会社に一本の電話が。入院しているその同期からでした。

彼「おう、どうや?」                                              私「まあ、相変わらずだな。そっちはどうだ?」                              彼「まあ、ぼちぼちやってるわ。でな、教えて欲しいんやけど、ローリングストーンズの特集放送がFMであるらしいんやけど、いつか分かるか?」                        私「そりゃ直ぐにはわからんなあ。俺が録音してやろうか?」                     彼「ああ、ええわええわ。自分で何とかするわ。わりいな、仕事中」                私「そんなのはいいよ、何かあったら連絡してくれよ」  

                       

この数ヵ月後、彼はまだ25才くらいだったと思いますが、若くして亡くなりました。葬式を寮で行ない、同期の連中が集まってそれこそバカ話で送り出してやりました。

今でも、何で彼はわざわざ私のところに電話をかけてきたのか、そんなに付き合いが深かった訳ではない私には分かりません。ストーンズということで、ロック好きな同期として私が思い浮かんだのか、ただ、電話の内容は録音自体をお願いする、という感じではなく、それをダシに話したかった、という雰囲気でした。

何故かずっと心に引っ掛かっていることです。

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コメント

 こんばんは。

 うまいコメントにならないかもしれませんが…。何か書きたいなと思いつつ、うまいコメントが思い浮かばず…。

 私は本当に気分が落ち込んだ時は好きなバンドの曲を聴いてもまったく心に響きませんでした。だから、病気で苦しい時にストーンズの良さが分かるドイツ特派員さんの同僚の方は真のロックファンなんですね。真のロックファンにそのバンドの話をしたいと思われたドイツ特派員さんも本物のロックファンなんですね。
 少し僭越ですが。思ったまんまですみません。

投稿: しまうま | 2006年12月26日 (火) 00時20分

しまうまさん、

私も落ち込んだ時にそんなに音楽で癒されたりはしてないんですよ。3年ほど前、本当にえらいことになって、「あー、食事をしても味が判らず砂を食べているようっていうのはこういうことかあ」と思ったほどの時がありますが、その時は音楽を聴いても上の空だったと思います。

でもその後、当時のアルバムなんかを聞くと、その時の感情にすっと入っていくと言うか、曲の周りが違う雰囲気になると言うか。やはり何らかの感情は音楽に対してあったんだと思います。

同僚が電話を掛けてきたときの事務所の情景なんかも良く覚えていて、ストーンズといえばその情景になっていますね。

投稿: ドイツ特派員 | 2006年12月26日 (火) 15時55分

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