Night Ranger雑感
Night Rangerが来日するそうです。私、このNight Rangerという名前は何と言うか、甘酸っぱいとでも言える感情を呼び起こす名前です。
時は既に約四半世紀前、私が大学に入った年です。初めて親元を離れて一人暮らしを始めた当方、まあまだ知り合いも居らず淋しい毎日を過ごしておりました。当時はまだエアチェックという行為があり、大阪のFMを聞いていると、
「な、な、なんじゃあこのアルペジオわあああ!」
という強烈な分散和音が。これが「炎の彼方(Don't tell me you love me)」のジェフワトソンのソロだったわけです。いや、音使いはシンプルそのものですが、それまでまあリッチーの「Kill The King」程度ですごかったのに、これは本当にぶったまげました。
その後、親戚の家で「ベストヒットUSA」を見ていたら、このPVが掛かっていて、をいをい、列車の中で軽く弾くんじゃねえ!って格好良いったらないわけです。
「こりゃ行かなきゃな、来日」ということで行ったのが大阪で最初のコンサート。正直、今まで行ったコンサートでこの時のNight Rangerを超えるのはない!永遠の忠誠を誓っているIt Bitesですら、コンサートのインパクトでは敵わないです。
今でも「炎の彼方」を聞くと、当時のこと・当時の空気がすーっと私の周りを囲んでくるんですよ。
Night Rangerの魅力って言うのは実は掴み所がなくて ・すごい哀メロがあるわけじゃない ・Voが超絶にすごいわけじゃない ・インタープレーが延々あるわけじゃない ・ルックスがすごくいいわけじゃない とまあ、否定を並べれば「何これ?」となってしまうんですが、何故か引き込まれるんですよね。こういうのって、ある種のアメリカンロックの王道という音楽だと思うんですが如何ですかね?それに、それぞれのメンバーが同等に存在感を持っていて、誰かがバックメンバー、ということが無いです。これはリズム楽器の二人が歌える、というのが大きいのと、結構Keyが肝になっていることによるんでしょう。
で、ギター弾きとしては当然ここのブラットギルスとジェフワトソン、ということになりますが、この二人のツインというのは 『似ていない二人が、個性を出しつつ曲を生かす』 ということが出来た唯一無ニの存在だと認識しています。例えば、超絶ツインリードと言うことでは、レーサーXなんかが出てくるんですが、あれはどちらも同じタイプのギタリストで、どっちがどっちか分からない。アイアンメイデンでもそれほど個性が立っていませんね(デイブマーレーのトリル重視はありますが)。また、他のツインギターはやはりどちらかがリード重視・どちらかがバッキング重視というのが多い(例えばリードを取っていてもメガデスのデイブムスティンはやはりバッキングでしょうし、メタリカやスコーピオンズはもっと極端)。アークエネミーは割りと個性があるかも知れませんが、それでもNight Rangerほどの違いは無いですね。
やはり一枚目・二枚目に佳曲が集中していますが、あまり話題に上らない「Passion Play」や「Penny」なんかはいいですねえ。
で、ジェフワトソンの代わりにレブビーチ、ってことらしいんですが、タッピングが上手けりゃジェフの代わりが出来る、ということじゃないんだな、これが。レブだとある意味ブラットと同じうねうね系(分かる人には分かる)で、ジェフのカッチリ感とは少し違う。あと問題は、レブはクリケット奏法をするかどうか、ですなあ。
ジェフ、やっぱりあなたの逆アングルピッキングはNight Rangerには必要だよ。
| 固定リンク
コメント
こんばんは!
いやぁ、なんというか、言っていることがすごくよく伝わってきます(笑)。NR に魅力を感じる人って少なからず同じような想いを抱いているような気がしますね~。僕自身は 4 -> 1 -> 2 -> 3 -> 5... なので彼らのデビューはリアルタイムじゃないですが、 初期に思いいれは強いですね。
あっ、僕も Penny 好きですよ! Young Girl In Love なんかも底抜けに明るくて大好きです。
投稿: gw | 2007年4月17日 (火) 00時40分
素晴らしい分析・・・脱帽です。
ちなみに再録ベスト聞かれました?
個人的に今年上半期のヘビーローテーション確定です。
素晴らしい出来。
投稿: umaroku | 2007年4月19日 (木) 11時56分
gwさん、
いやいや何と言うか、当時思ったことを素直に言ってみただけで、拙い表現だなあ、とも思います。
実は昨日の出張中に「Man in Mortion」を聞いていて、「なんだ、結構良いアルバムじゃないか!」と思った次第です。もうちょっと聞きなおそうと思いますです。
投稿: ドイツ特派員 | 2007年4月22日 (日) 00時00分
umarokuさん、
言い足りなかったことがありまして、別にブラットがアームを使っているからうねうね系だということではなくて、フレーズがうねうねなんですよね。何と言うかある線を意識してその中で弾いているというか。
それに対してジェフっていうのは点から展開する感じがするんですよ。一つ一つの音にスピードを持たせるというか。この辺はマイケルシェンカーと近い気がします。「Can't Find Me a Thrill」なんてもろマイケルでしょ?
そのベスト、今度聴いて見ます。
投稿: ドイツ特派員 | 2007年4月22日 (日) 00時03分
ナイレン昔から大好きっす。最初はジェフに思い入れがありましたが、聴くうちにブラッドの魅力にも気付いて来ましたね。確かにうねってます、彼。しかし選ぶメロがいーんですよね!非常に印象的なノート、フレーズが多いです。ジェフ脱退の件は少々寂しいですが、ブラッドとレブのツインギターも実はスゴク楽しみです(笑)まあレブにはウインガーでも来日して欲しいんですが・・・
投稿: sorapapa | 2007年4月22日 (日) 00時33分
Sorapapaさん、
ブラッドのソロ、結構オクターブ移動が好きみたいですね。実は彼の特徴の一つかと思っています。まだ、彼のソロは聞いていないんですが、聴いてみたいですね。
レブ、確かにウィンガーはどーした?初来日は行き損ねたんですよ。Seventeenとか、また聴いてみたいな。
投稿: ドイツ特派員 | 2007年4月22日 (日) 13時34分