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2008年8月23日 (土)

Eric Johnson

私に「何でお前如きが弦をピックではじいているの?ギターを弾くっていうのはこういうことだよ」と自己嫌悪に陥らせるギタリスト、Eric Johnson。以前もライブ評をUpしたことがありますが、今日の出張帰りの飛行機と電車でずっと聴いておりました。

彼について私如きが語るというのは、空パパさんgwさんやらにどう申し開きしたら良いのやら...と思いつつ、聴いて気になったものは仕方ない。雑なのはお許し下さい。

もう芸歴は40年近くなるのかな?Electromagnetsでは20そこそこで既にお前はマクラフリンかい?というGを弾いてますし、ブートDVDではそれをレスポールで演奏してます(しかし何で当時の映像が残ってるんだろう?)。彼が表舞台に出たのはクリストファークロスの「南から来た男」の「ジゴロの芸人」でのソロだろうと思います。ちなみにこのアルバム、「Say You'll Be Mine」のGはジェイグレイドンだし、クリストファー自身もえらく上手いギタリストで、隠れたギターアルバムです。

南から来た男

その後、「Tones」「Ah Via Musicom(未来への扉)」と続きますが、やはり一般的には、彼の最高傑作は「未来への扉」とその中の「遥かなるドーヴァー」でしょう。が、ギターを少しでも弾く私からすれば、実はその次のアルバムである「Venus Isle」の方が好きだったりします(もちろん「遥かなるドーヴァー」は楽曲として彼の最高峰でしょう)。

Venus Isle

彼の場合、Gも然ることながらVoに非常な魅力を感じるんですが、このアルバムのVo曲はメロディアスで素晴らしい。「All About You」のロック度とAOR度の混合具合なんてもう旦那。Voの感じがブライアンアダムス+ドンヘンリー(イーグルス)÷2という感じに私には感じますが、独特のハスキーさが溜まりません。

で、Gは実は「未来への扉」以上の強烈な弾き捲くりが堪能できます。特に「Pavillion」の上昇フレーズの緊張感や、「Venus Reprise」ド頭のフランジャー交じりのチョーキング音、はたまた「Manhattan」でのジャジーでありながらロックなフレーズ....てんこ盛りとはこの事。

また、珠玉のトーンにしても、「When the Sun Meets the Sky」でのカッティングなのにきらびやかなクリーントーン、「Camel's night out」のジミヘン彷彿のドライブ音、「S.R.V」でのクリーンとドライブを混ぜたような太い音....。もう何も言えない状態になります。

ただ、正直言えば、このアルバムのあとはEric Johnsonから少し離れていました。「Alien Love Child」「Bloom」「Souvenir」....。そりゃ凡百のミュージシャンには作れないアルバムだと思いますが、どうものめり込めませんでした。今でもちょっと聞き込めないのは何故だろう?「Columbia」「I'll Be finding You」「Virginia」なんて凄く良いんですけどね。

恐らく「遥かなるドーヴァー」やこのアルバムの印象が強すぎるんでしょうね。あと、もしかしたら少し衰えてきたかな...と思わなくもないんですよ。YouTubeで幾つか見ても以前より荒くなっている気がする。元々リズムが突っ込み傾向の人なんですが、更にそうなることもありますな。

とは言え、今でも世界最高峰のギターミュージックを提供できる人であることに変わりはないと思っています。その彼が最高の演奏をした、と私が思っているのが、この演奏。

遥かなるドーヴァー

実はブートDVDを幾つか持ってますし、有名なのは「Guitar's Practicing Musicians 2」のライブですが、このライブはとにかく凄い!としか言えない自分の語彙の少なさに苛立ちますなあ。

でもね、かっこよくてGが上手くてVoが上手くて曲が良くてって....。

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コメント

ドーンとEJの写真が出てきてビックリでした(笑)。
記事中にブライアンアダムスの名前が出てきていますが
僕も Tones を始めて聞いたとき、そのちょっぴりハスキーな声質に
彼の声を重ねたことを思い出します。

Venus Isle 以降の彼は色んな意味でルーツに戻ろうとしている気がしますね。
ワールドワイドでいることよりもしっかりとテキサスに根ざした活動を
目指しているのかなぁと。

テクに関しては衰えていくのは悲しいかなしようがないのでしょうね。
それを現実として受け止めどう気持ちを切り替えていくのかは
ミュージシャンとして大変なものがあるような気がしますです。

投稿: gw | 2008年8月24日 (日) 09時04分

 こんにちは〜。

 分かります、分かります。私もEJを繰り返し聴いていたのは「Venus Isle」がピークでしたよ。最初に聴いた時は癒し系の音で、魂抜かれそうでした。それ以降は出たら必ず買ってますが、車の中でしゅっちゅうかけている、という感じではなくなってきました。

 それはドイツ特派員さんのこの記事を読むまで自分で意識したことはなかったですが、改めて思うと、ぴったりその通りでした。その辺まで、「うわぁ〜凄い」というギター弾いてたんですよね。その後も凄いんだけど、「うひゃ〜」という感じではない(もちろん私ごときには弾けませんが…汗)。

 では、それは何故だろう?と考えるに、ギタープレイとしての難易度(?)、超絶度で言うと、ピークがその辺で、ミュージシャンとしての幅というか方向性が変わり始めたのがそれ以降なのかなぁということなのかなあ…。
 EJの場合、良い曲を書けるし、歌もそこそこ上手いから、自分のやりたいことが変わってきてるのかなぁという気がします。

投稿: しまうま | 2008年8月24日 (日) 17時20分

gwさん、差し置いたレヴュー、お恥ずかしい限りです。

Venus Isle以降は確かにある意味内省的な音楽になっていますね。何と言うか、内なる音楽をそのまま奏でているような気がしますね。Souvenirは殆どアコースティックアルバムですし。

それでも、どこかで弾き捲りのGを期待してしまいますねえ。

投稿: ドイツ特派員 | 2008年8月25日 (月) 22時21分

しまうまさん、

しまうまさんやgwさんのコメントから、実は山下達郎のことを思い出しました。彼がベストの「Treasures」を出した時、「これからかなり曲調が変わると思う。それは内からの声で逆らえない」ということを言っていました。多分EJもそういう気分になってきたんじゃないかと思います。

それはポピュラリティーからの距離ということになるでしょうし、ルーツに戻っているとも言えます。

ということでもないのですが、今度バンド課題曲で「遥かなるドーヴァー」という無謀な選曲をorz。ちょっと後悔しています。

投稿: ドイツ特派員 | 2008年8月25日 (月) 22時24分

なんたって王子はリズムよりサウンド重視ですからねえ(笑)確かに最近の王子はより大人な音楽へ向かっている気がします。演奏にムラがあるのも強引に考えると個性でしょうし、200%が聴けた瞬間はもうたまりません。
そうそう、ソニー・ランドレスの最新アルバムでの王子のプレイなかなかですよ。それと、ちょい前にはなりますがジェフ・ベックのトリビュート盤でのベックス・ボレロには涙が出ちまいます。。。
ああ、ヴィーナス・アイル聴きたくなったなあ(確かにあのアルバムでのブッっ飛びフレーズはヤバイっす。2ndのデザート・ローズのソロもヤバイですし。)とはいえ、やはり王子は衰えても王子なのでしょう、きっと。

投稿: sorapapa | 2008年8月27日 (水) 01時37分

Sorapapaさん、お待ちしていました。PC大丈夫?

ソニーランドレスは聴いてみたいですね。他のギタリストとのコラボで言えばスティーブモースとのものが有名ですが、ソニーとはルーツ系として合いそうですし。

多分、彼の表現に従った今のギタープレーだと思うんですよ。激ヤバフレーズがなくても良いという判断だと思います。

が、やはりあの「遥かなるドーヴァー」での超絶フレーズを求めちゃいますなあ。

投稿: ドイツ特派員 | 2008年8月27日 (水) 09時10分

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