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2008年10月22日 (水)

事務屋の不利と仕事のやり方(真面目に仕事の話です)

大体、台湾のホテルにあるビジネスセンターから更新している私は何なんだ?

いや、昨日からまた台湾でしてね、相変わらず新竹というところでグダグダ仕事をしています。ちゅーざいさんはしっかりと先週儲けて帰国された(あくまで予想)ようですが、私はまだ儲けることもできず悶々と仕事をしています。

で、仕事を終えて夕食を同僚と取っていた時、色々と話しているうち、純粋事務屋である私が開発の仕事に関わっているという現実をまた考えてしまったわけです。

この現実(悩みといってもいい)はいつも私の頭にあることでして、今の技術開発系の仕事を事務屋が関わるのは良いのか?技術者で回すべきではないか?自分が技術者であれば良かったのに...などという思いがいつもぐるぐる回っています。

恐らく、世の事務屋と呼ばれ、更に営業関係の人の多く(特にB to B系の営業)はこう考えているんじゃないでしょうか?

「自分の仕事は誰でも出来るよね?」crying

恐らくは自分の仕事に特にスキルが必要なわけでなく、何となく口八丁と人間関係で仕事しているという思いが強いと思います。購買をちょろまかしたり、多少の嘘で誤魔化したり...。

ところが、開発系の場合、まず商品を技術的に的確に説明する必要があるわけです。ものが良い、というだけでは駄目で、何故良いのか、商品の開発思想から語る必要があることが多い。で、それを曲りなりにも行なっていると言っても、どこかに「ま、文章の暗誦みたいなものだなあ」という醒めた思いがあるんですね。だから、

「いやあ、そこは電気化学的に考えてですね...」「圧力の法則を外すことで...」「そこは電位差が起こる事で出来る作用で...」「やはり反応性の違いですかね...」

とか言って、会議が終わると同僚に、

「ねえねえ、相手が言ってることも自分が言ってることも全然分からないんだけど」punch

というとほほなことになるわけです。

ここで問題になるのは、では事務屋の仕事は事務屋の領域(言ってしまえば数学を関わらせない)で終わるのか?ということになるんですね。

例えば、私などは言語系という技術とは最も遠いと思われる学科で大学を卒業したのですが、実際は、変形生成文法と言われる統語論(今や反戦思想家として有名なチョムスキー氏が有名)は、高度な数学処理が不可欠です。また、当然のことながら最近は旗色が悪い金融工学などは、数学処理の塊でしょう。あと、市場分析などには恐らく統計学の考え方を入れないと正確な判断は出来ない。また、論理学などというものは、実は文章にしているだけで、考え方は数学のようなものです。

そうなると、事務屋だの技術屋だのと分けられないところが出るのですが、ここで問題になるのが日本の教育制度でして、教養学がないんですね。アメリカの大学で言うリベラルアーツ。日本の大学で言う教養課程というのからは想像が出来ないほど深く広い分野をまず勉強してから、専門に進む訳です。だからアメリカでは大学の教授の専門が物理から経済に変わったり、ということが起きるわけです(この辺りは一時期はやった複雑系の研究を行なっているサンタフェ研究所の成り立ちで詳しい)。

どうも自分の能力不足が露呈されてきて嫌なんですが、そうすると、圧倒的な専門での強みがない(例えば事務屋で行けば司法試験に通るとか、技術屋で行けば特許が絶対的だとか)場合、ある程度横断的に知識を持っておくしかないのか?という結論になります。但し、この場合も実感として、事務屋は不利ですね。何故かと言えば、技術屋から事務屋にはなり得ても、その逆は限りなく難しいですから。

実は会社なども分かってきていて、製造業なんかでは、「もう事務屋は取らなくても良いんじゃないか?技術屋で事務屋センスのある連中をそちらに回せば済むから」ということも起こってきています。よく、「日本では事務屋の給料が高く、技術屋は虐げられている」という論調がありますが、いざという時の生き残りを考えると、実は事務屋で生き残るのはかなり難しいと思いますなあ。

じゃあどうしようか?

まだ、自分自身で考え方が纏まらないままに書き連ねているんですが、一つは「技術内容が理解できるまで知識を持つこと」だと思います。これは以前木村剛氏の話を聞いて感じたことですが、彼自身、色々な経営手法について、「自分では全てを考えられないし、そこまで今からは到達できない。ただ、言っていることはおおよそ理解できる。もしかすると自分の強みはその分かる領域の広さかも知れない」と考えたそうです。要はその知識を生み出す必要はないし、詳細は飛ばしてもいいから、エッセンスを理解できるだけの学習は必要だということです。そのためには、「一人リベラルアーツ」を行なうことが必要でしょう。

もう一つは、「技術分野が分かる人を広く知人にする」ということでしょうか?どうせ全部分からないんだから、知っている人に聞けば良い、というこれまたお気楽な考え方。ただ、これが結構有効なのは、内容が分かるということのほかに、「内容がわかることを知っている人をそんなに知っているのか」という部分での敬意が得られる、ということですね。

最近知り合う人の殆どが技術をバックに持っている人で、非常に劣等感を持っているが故の悩みなんですが、結局は

日々之学習 日々之努力

という当たり前のところに行き着くわけですねえ。

と言いつつ「ねえねえ、アジ化ナトリウムってアジに入ってるナトリウムなの?」とマジで聞いていた暗い過去を思い出している私で御座います。ああ、広くて深い知識が欲しい....。更にそれを生かせる知恵が欲しい....。

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コメント

>何となく口八丁と人間関係で仕事
これが最も重要なスキルのような気がするんですが…。
いや冗談じゃなくて、真剣に思います。

大まかな分類で一応技術屋に分類される私は、申し訳ございませんが…、事務系を敵視しているきらいがあります。なぜなら、彼らは我々技術系を「管理」するからです。前の会社で大喧嘩したのもサイエンスとは掛け離れた訳の分からない理屈で攻めてきたからです。仕事柄事務部門との折衝も多く日々苛々してます。「だったらお前らが行って直接話して来いよ!」と思うことしばしばです。会社が大きくなれば成る程石橋を叩いても渡らない傾向にあるようです。更に奴等はベクトルが内向きなのも頭に来ます。つまり社内の偉い人にはペコペコするくせに他社の人間に対しては横柄な態度を取る。それも大きい会社になれば成る程そんな状態です。あ!段々口が悪くなってきた。ごめんなさい。

それと私がいる業界では再編が行われしばしば研究所が閉鎖になり多くの技術者が溢れ、再就職もままならない状態です。その点事務系はどこの会社にも必要なわけで意外と楽に再就職できているようです。経理畑の家内を見てるとそんな印象を受けます。経理は経理で分社化されそれなりに大変みたいですが…。

でも実は、私の真の的は事務系でなく事務・技術関係なく東大を初めとする旧帝大系なんですね。(笑)
勿論全員とは言いませんが。誤解のないように一応…。

投稿: hirosz | 2008年10月24日 (金) 08時57分

hiroszさん、

私、旧帝大でなかったのに、今旧帝大に吸収された大学出身です(笑)。よく冗談で、「今までは『いやあ凄い大学出てるねえ』とか言ってたがな、もう後輩扱いしてやるから!」と言っては馬鹿にされるおバカな私です。

hiroszさんの話、よーーーーく分かります。この辺を喋らせれば私も口を極めて罵りますが、リスクテイクの考え方が管理部門と現場では違うんですね。その意味ではhiroszさんが言っている事務屋というのは、「コーポレート」と言い換えても良いでしょう。

でもですねえ、私のようなノースキルの人間は厳しいですねえ。今更マイケルシェンカーにもなれないし(そこかよ!)。

投稿: ドイツ特派員 | 2008年10月24日 (金) 19時15分

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