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2008年11月16日 (日)

芳醇な音楽「The Tall Ships」(It bites)

船はちゃんと戻ってきてくれた....。

Sorapapaさんからも強力な推薦がありましたが、It Bitesの再結成(というか再出発)アルバムが遂に出ました。

このジャケット、これからしてもう大英帝国です。リリカルなジャケットというのはこういうジャケットでしょう。実際の中スリーブの写真と歌詞の組み合わせもこの上なく美しい。

私がバンドとしては最も敬愛するIt Bitesですが、まさかアルバムが出るとは正直思っていませんでした。再活動当時は中心人物であるFrancis Dunneryがいつの間にかいなくなり、John Mitchellが加入、しかしイケメンだったBのDick Nolanも居なくなっています。

正直なところ、音が出てくるまでは緊張していました。もし、今までのIt Bitesを崩してしまう再結成だったら....。大体、再結成などといって成功した例は殆ど無いですし、少なくとも再始動して過去と同様の水準だったアルバムはUFOの「Walk on water」と筋肉少女帯の「新人」くらいしか思い当たりません。

ところが、その危惧は杞憂でした。

もう一曲目の「Oh my God」のコーラスで問題全くなし!が確定です。Francis在籍時最後の「Eat me in St. Louis」を延長したサウンドと言って問題ないんじゃないかな?ひねくれたメロディーや変拍子は減ったかも知れない。その代わりに穏やかな豊かなメロディーが次々に出てくるし、John MitchellのVoも問題ない。少しFrancisっぽい声なのがまた良く合っていて良いですなあ。ギタープレイはさすがに変態ホールトーン連発とは行かないですが、ロングトーンと早弾きのバランスも素晴らしい。

もう捨て曲はありません(きっぱり)。全体にポップさが増しているのは事実ですが、元々It Bitesはポップな部分が重要なファクターでしたから何も減点にはならない。その上で泣き系の曲が増えている感じですかね。個人的なツボは、美しいサビがたまらない「Planyground」、雄大な曲想の「The tall Ships」、からかったイントロからポップなサビへの移行が正にIt Bitesな「Great Desasters」、問答無用の泣きメロと極上のギターソロで攻めてくる「For Safekeeping」、タイトルだけで感涙ものの「This is England」...その他もOKということでやはり全て、ということになりますな。

Francis不在は寂しいし、最初は「うーん、John Mitchellってねえ...」と聴いてもいないのに二の足を踏んでいましたが、やはり彼らはIt Bitesがその名を名乗る時の意味を考えていたんだと思います。だからこそFrancisは脱退したのかも知れない(Francisの今とIt Bitesにズレがあった)し、逆にJohn BeckはIt Bitesとして守るべきものを守ったともいえるんじゃないか。だから、Special thanksのところに、Dick NolanはあってもFrancisの名前がない。今のFrancisにIt BitesへのInputはできない、ということなのかも知れません。それは別に悪いことじゃないし、名前だけでそれを引き留めるほうが音楽的には寧ろ不誠実でしょうな。

この時代に、これほどブリティッシュな音が出てくるとは...。レコーディングも殆どイギリスで行なわれているようですし、その一徹さも正にブリティッシュ。

まだまだ良い音楽には出会えそうです。

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コメント

ご無沙汰しております。りでぃあです。
久しぶりにおじゃましたところ、なんと素晴らしいタイミング!!
It Bitesのアルバムを取り上げられているではありませんかshine
気になりながら、まだ手に入れていなかったのですが、
ドイツ特派員さんのレビューを読んで、
そのままAさんでポチッといってきましたnotes
KINOでJohn Mitchellのことは結構好きだったものの
やはりIt Bitesとなるとどうなのかなぁと思っていましたが、
いやいやなんのなんのの素晴らしいできのようですね。
私も早く聴きたいです。ありがとうございますhappy02

投稿: りでぃあ | 2008年11月17日 (月) 21時58分

りでぃあさん、お久しぶりです。

It BitesはIt Bitesです。聴きまくって下さい。人によっては別の感想を持つかもしれませんし、それは仕方ないことでしょうが、Francisがいない、というだけで聴かないというのはあまりにも勿体無い出来です。

また感想を宜しくです。

投稿: ドイツ特派員 | 2008年11月18日 (火) 00時55分

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