いきなり懐かしいので、「Vandenberg」(Vandenberg)
りでぃあさんのオランダ参戦記事を見て、もうオランダと来るとわたし的にはこれしかない、というバンドがVandenberg。どのアルバムも甲乙付けがたいんですが、今回は1stが頭から離れない....。
邦題も、「ネザーランドの神話」って、一枚目から大きく釣ったもんです。が、内容はその釣りに見合ったものですな。
Vandenbergの詳細はこちらを見てもらうとして、とにかくGのエイドリアンヴァンデンバーグのソロ!もう25年経った今でも全然色あせないです。いや、凄い早弾きがあるとか、トリッキーな技があるとかではなくて、とにかくメロディアス&スリリングなGなんですね。
彼の大きな特徴は二つほどあって、
・大きなヴィブラート ・弦飛びピッキング
というものです。これも含めて全体にマイケルシェンカーの雰囲気はあります。が、私にはリズムの取り方がやはり違う。良い悪いではなく、エイドリアンの方がストレート。で、ヴィブラートが凄くて、何と言うかヴィブラートの間に音量が大きくなってくるようなうねり方です(少しスティーヴルカサー的かも)。ところが、DVDで確認すると、そんなに大きな振幅には見えないんですね。うーん、謎....。弦飛びの方は、メロディーを、というよりはギターの弦・ポジション優先でやっている感じです。が、それがまた独特のメロディーで味がある。
曲は比較的コンパクトなハードロックが並びますが、当時でいうB面が凄い。「Ready for You」から始まるんですが、これがもうアグレッシブの塊。ゲイリームーア彷彿のソロも素晴らしい。で、その次に「Too Late」。このソロも練習しましたが、途中ペダル音を挟んだ弦飛びが出てきて弾けなくてねえ、ということ自体が既に四半世紀前。
A面が比較的地味な印象を受けますが、エイドリアンのプレイはやはり凄い。「Back on my Feet」の奇妙な音取り、「Wait」でのライトハンドをバックにした泣きも凄絶です。
本来一番人気のあるのはこの次のアルバム「Heading for a Storm」だと思います。特に「Waiting for the Night」「This is War」という超ド級泣きナンバーがありますし、アルバムの出来も文句ない。じゃあ何で私はこちらを紹介しているのか?単に、このアルバムを聴くと1人暮らしを始めた大学時代が本当にフラッシュバックのように蘇るから。当時の空気まで回りに来る感じがあるんですよ。
エイドリアンって、結局Vandenbergの三枚(あとは最後の「Alibi」、これも好盤です)で終わった気がします。彼としてのやりたい音楽はあったんだろうと思いますし、だからこそManic EdenやWhitesnakeというブルース系ロックバンドでプレイしたんでしょう。でも、ファンから言わせりゃ、
「そんなん誰でも出来るから、エイドリアン、お前はお前しか出来ないプレイを聴かせろよお!!!」
という、「ロッキー」のような叫びしかないんですよ。
もう彼も完全に画家として独立しているようで、音楽界に戻ることはなさそうです。やはりかなり腕の状態が悪かったんだろうと思います。弾き方自体はとても自然な感じだったんですが、残念です。
が、もしVandenbergを聴いていないメロディアス派の人がいたら、だまされたと思って聴いてください。リマスターも出ています。
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コメント
もひとつ…。
・レスポールにマーシャル直での音の良さを体感できる♪
この特徴は自分的に大きかった。シンプルにダイレクトなんだもん。
そして「ロッキー」のように叫ぶ…って下り、大ウケしました。そうだそうだ、「エイドリア〜ン!!」(笑)
投稿: フレ | 2009年1月 4日 (日) 10時45分
フレさん、
確かに、彼ほどストレートにレスポール+マーシャルという音は逆に珍しいかも。歪みもそんなに深くないし、逆に腕の良し悪しがはっきりする音ですねえ。
>ロッキー
分かっていただいてありがとうです(笑)。
投稿: ドイツ特派員 | 2009年1月 4日 (日) 19時03分