無駄を省くとどうなるんでしょうか?
今、世の中ではビジネス書ブームだそうで、確かに本屋を覗くと平積みにはビジネス書がずらり、という感じですね。
私も結構読みましたし、嫌いじゃないですが、ちょっと最近は疲れてきたかも知れません。多分それは、「徹底して無駄省き」が少し肌合いの悪さを持っているからかも知れません。
実際に時間が有限であることを考えると、無駄を省くのは最も正しいことでしょうし、私もそりゃ無駄は無いほうがいいと思ってます。特にビジネスをやる上では「何に集中特化するか」ということと、「何をやらないようにするか」というのは同等に重要。
ただ、多分全てをビジネスに向けるという無駄の省き方が少し「違うんじゃないか?」と感じるんですね。
自分を省みれば、もう無駄・不必要のオンパレード。一流にもなれないのにギターは既に30年も弾いていますしね。確かに努力は必要ですが、音楽なんてもうこりゃ天性の才能が出てきた日にゃどうしようもない。よく言われますが、Eddie Van Halenが単純な四分音符を弾いてなんであんなにグルーヴするのか....。練習すればするほどグルーヴから遠ざかる気がしますね。かのレスポールが言った「大体世の中配管工になるべきギタリストが多すぎる。才能が無い奴が音楽をやってもしょうがない。才能のある奴が努力して初めて意味がある」という言葉は、辛辣ですが正鵠を射ています。この程度の腕でも、高校時代は一日6時間くらいぶっ通しで弾いてたんだけどな....。
また、旅行に行くにしても、下調べもせずにふらふらして時間を無駄にしたのは数知れず。無駄な買い物もどんだけしてるんだか...。
でも、
そんな無駄なことをすることで、実は心の均衡を保っているんじゃないか?と思うこともしばしば。以前は読書をしていても、「ここで何かを得なきゃ」と思っていたこともありますが、逆に、単に読む、という行為でも良いんじゃないかな?と思えるようになってきました。それは無駄な時間かもしれませんが、まあいいか、と。
最近ぼんやり思うんですが、世の中の効率を最大限ビジネスにつぎ込んだとすると、ビジネスは出来なくなるんじゃないかな?どのビジネスも全て最後は「無駄」の部分で成り立っている気がします。例えばパソコンを取った時、何故これを使うのか?を突き詰めていけば、結局は遊びの部分が元になっているんじゃないかと。極端なことを言えば、娯楽を取ればビジネスは最低の衣食住以外には成立しなくなるんじゃないか?
例えばこのブログだって、ここで辞めても誰も困らないし。
と、自分を納得させて無駄な時間を過ごしているわけですね。
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コメント
こんにちは^^
無駄を省く=全てビジネスに、ってそれはなんか違うような気がします^^;
まあ、そうしたい人とか、それで満足出来る人はどうぞご勝手にですけどw
自分も無駄人生、謳歌しています(爆)
ドラムセットまで買って、ハイハットなんか3セットも持ってます^^;
自分が楽しむためにやるでいいと思います。
そこに才能があれば、人を楽しませることも出来るということでしょうか。
ジェフも、何の変哲も無い8ビートを最高にカッコよく叩くんですけど、
これはやっぱり持って生まれた天賦の才だろうと思います^^
投稿: こでまり | 2009年4月17日 (金) 14時08分
こでまりさん、
おお、ここにも無駄仲間が。そりゃそうですね、ハイハット3セット何時どうやって叩くんだか。もしキースムーンだったらいらないですね(笑)。
ただ、結構そうやって一直線にやっている人が羨ましくもあるんです。多分、自分が一直線になったら、そこそこの成功をしても、「あれも、これもやらなかった」とぐぢぐぢ言っているという気がします。そのくせ色々やっていて「うーん、どれもものになっていない...」とか言って悩んでたり。
確かにジェフの8ビートは素晴らしいし、そこに自分の価値観を見出していたようですね。
投稿: ドイツ特派員 | 2009年4月17日 (金) 19時57分
無駄なものが全て切り捨てられてしまったら、成立たないビジネスは山ほどあるのではないでしょうか?
効率化も大切ですが、それだけになってしまうと生きていること自体にまで疑問を感じ兼ねないかもしれない…などと思ったりしそうです(^^;
無駄はゆとりとも言えますよね、楽しい人生を過ごすことが一番だと思う今日この頃です(^^)
投稿: 240@s | 2009年4月18日 (土) 23時52分
240@sさん、
多分、ビジネスでは「無駄があるのが許せない」と思う人が多いんだと思うんですよ。「無駄なことをやっていることが楽しくない」「無駄が省ければそれが楽しい」という感覚。で、それは全然否定していなくて、ちゃんと部分的に学べば良いかな?と。
ただ、それが無理だと思う人が無理したらやっぱりどっかで破綻するでしょうね。私?無理かも(涙)。
投稿: ドイツ特派員 | 2009年4月19日 (日) 08時53分
こんにちは~。相変わらず深いっすなあ。
私のいる業界って、実力本位で社内競争が激烈な割には古い体育会的な気質も残っていてですね。年功序列じゃないんだけど、歳だけ食って何やってるのかわかんないような人を残しておく無駄な余裕みたいなものがあったんです。
才能とか努力とかから縁のない仕事をしてきた人だって、その人なりの得意分野とか「はまるポイント」みたいなのがあって、そんなのが目に見える数字とかには現れない深みみたいなのを作ってきたのかな、みたいなことを最近感じます。
能力主義とやらで、口とか理論が先行した生意気な若造が増え、派手な仕事に回らずに裏方で地道にやってきた中堅が外され、やたら尖がったヤツばかりもてはやされるようになってきたギスギスした空気には辟易とします。
投稿: しまうま | 2009年4月19日 (日) 13時48分
しまうまさん、たまたま速攻の返事です。ですから深くもありません(笑)。
最近とみに疑問なのは、「普通に、普通の仕事を淡々と、しかも真面目にやってきた人」が全く省みられていないんじゃないか?ということ。グローバリズムも成果主義もなく、コツコツやってきて家族を養うという、実はとてつもなく凄いことをもっとしっかり考えたいな、と思います。
まあ、私も生意気な中高年になってしまい、扱えない奴になっております(涙)。
投稿: ドイツ特派員 | 2009年4月19日 (日) 13時55分