« 西安:西域制圧へGo!その5 | トップページ | き、気を失いかけた.... »

2009年6月13日 (土)

梅田望夫:インターネット界隈の話題と時間軸

先週から今週に掛けて、ネット界隈ではこのインタビューの話題が中心だった気がします。

「日本のWebは残念」

まあこれにはネットに詳しい人たちからの色んな反応が出ています。私も結構読みましたが、ちょっと私の反応は他の方と違うところにあったりします。

このインタビューの前半で梅田氏は、「僕はかなり長期的なトレンドや議論に興味があるんですよ」と話されています。更に、「自分を評論家と見ている人もいるが、経営もやっているし」ということで、あくまで当事者であることも強調しています。で、ここで私が引っ掛かっちゃったのが、「Webというトレンドってまだ高々数年じゃねえの?」ということ。彼が「ウェブ進化論」で「Web 2.0」と言う話をしたのがつい3年ほど前の話。そこで自分が描いたことがずれていたとして、どうということはないんじゃないでしょうか?

彼が考えているのはかなりな社会の転換ですから、少なくとも一世代では難しいわけです。教育と経験というものが伝承されて熟成される必要があるわけで、そうすると彼が生きている時に彼の思った理想が実現できるかどうかも怪しい。ここが先駆者の辛く苦しいところで、なおかつそれを分かった上でやるところに価値がある。確かに梅田氏が実際にやっていることが理想に繋がらないというイライラがあるのでしょうが、ここで降りるのは勿体無い。

あと一つ、Webでの時間軸というのは恐らくかなり短いんだと思いますが、私なんぞは製造業でずっと来ていて、ある事業の成功・失敗などは相当な時間を掛けなきゃ分からない以上に、その評価が切り取った断片でしかないことが多いんですね。例えば、今では日本産業として失敗例に挙げられている半導体、今からほんの10年前は韓国が失敗例(通貨危機が引き金ですが)・20年前はアメリカが失敗例で日本が成功例だったわけです。Webでももしかすると10年後くらいに、「あの時はアメリカを持ち上げていたけどねえ・・・」なんてことが起きないとも限らない。

また彼の意見というのは、アメリカとの比較をしなくても成り立つと思うんです。それをわざわざアメリカと比較する形で出してしまったがために、「またアメリカですか?」という反感を買ってしまったことも大きいでしょうね。中国はどうなんだ?韓国は?ブラジルはどうなの?サウジアラビアは?という比較で矮小化されてしまうのが勿体無いです。絶対評価でも当然日本のネットには問題がある。

私なりのWeb 2.0の理解は、その前段階であるWeb 1.0が、「リアルな世界の道具としてのネット」であるところから始まり、Web 2.0では、「リアルな世界とは別に、独立したものが出来るネット世界」が実現されるもの、ということなんです。この理解自体が正しいかどうかは知りませんし、それが実現可能かどうか・可能だとして幸せなことかが分かるほどネットに明るくはないんですが、とにかく私はそう理解した。彼がよく、「こうやってシリコンバレーから書いているんだけど、『実はパリにいました』といったことが起こったら面白い」というようなことを書いていて、確かにそういう世界はありかな?とも思いました。

ただ、結局のところWeb35.0になろうがWeb4.8になろうが、そのWeb世界を作るのはリアルな人間であり、リアル以上のものが出来るとは思えないんです。母国語と第二外国語の関係みたいなもので、母国語以上にその後の言葉が上手くなるわけはないというのと同じ気がします。だから、もしWeb世界が駄目だ、というのであればそれは単なるリアル世界の投影でしかない。

それでも、そのリアル世界で潜在化していた色々なことが顕在化することで、面白い世界が出来始めているのも事実だと思います。知らない人と国境を越えて繋がる、自分の意見が整理される、恋人が出来る、親戚が見つかるなどなど、そりゃ梅田氏がいう世界からは遠い小さなな世界かも知れませんが、個人に変化を与えていることを積極的に評価しても良いんじゃないでしょうか?

で、私の結論は何か?ということで言えば、
・もう少し長い目で見たら良いんじゃないかな?
・でも、当然是正すべきところはあるから、それは他の比較ではなくやれば良いよね?
・大層なことからではなくていい、小さな変化でも起こせば違う明日がやって来る
ということです。少なくともWeb社会はそんなに否定的なことばかりじゃない、と思いますし、要は使う人の質で出てくることが変わるという、当たり前のことが起きているだけでしょう。

でも、こういう弱っちいところを見せるのはそんなに私は嫌いじゃない。僭越ではあるんですが、

「ねえ、まあ色々ありますわな、梅田さん。ちょっとは呑んで気分転換でもどうすか?」

とかいって、肩でも揉んであげたい気がします。というか、これって会社で言っている愚痴とそう変わらないなあ、ということですね。Web→会社組織、辺りに変えても結構成り立ちそうじゃないですか?

というか、やっぱりこの世界は良く分からないです。この文章自体が分不相応だよな。



|

« 西安:西域制圧へGo!その5 | トップページ | き、気を失いかけた.... »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104193/45321633

この記事へのトラックバック一覧です: 梅田望夫:インターネット界隈の話題と時間軸:

« 西安:西域制圧へGo!その5 | トップページ | き、気を失いかけた.... »