前作ほど売れなかったけどね:「Big Game」(White Lion)
自宅での電話会議が殊の外早く終わってしまいましてね、しかも今日はこの豪雨で出張も中止。
で、
今日の帰りにこいつを聴いていたんですな。
White Lionって、TNTじゃないがデンマーク人のマイクトランプと、ニューヨーカーのヴィトブラッタが中心になったバンドです。この後Bのジェイムスロメンゾは野獣のようなPride and gloryへ行ってびっくりしましたが...。
これを見るとやっぱり当時(88年頃)のメタル全盛期をぷんぷん感じますが、中味はかなり違います。
このバンドの肝はGのヴィトなんですが、じゃあすげー早弾きがあるか?と言われればそうではないです。もう殆どライトハンドでメロを繋げていくんで すが、じゃあエディーか?といわれるとまたそれも違う。早いトリル系のフレーズが殆ど出てこず、本当に16分音符くらいのメロディーをピッキングなしで繋 ぐというある意味特異なスタイル。で、彼が中心のなって書いている曲がまた哀愁たっぷりのポップさで溜まらない。Voのマイクトランプは「下手!」と言わ れることがよくあるんですが、私にはCDを聞く限りその批判がさっぱり分からない。こんなに楽曲とあったVoなのに...。
この前のアルバムの「Pride」が、「Wait」のヒットもあって(超名曲)馬鹿売れして、その後出たこのアルバムは余り話題にならなかった気がします。が、んな感じに無視できるもんじゃない。寧ろ楽曲の粒はこっちの方がそろってるんじゃないかな?
一曲目の「Goin' Home Tonight」からもう彼らの世界が全開で、ヴィトのGも練りに練ったというメロディアスさです。ちなみに彼、「別にインプロヴァイズが偉いと思わな い」と言っていましたが、そりゃこんだけ練ったソロならそうでしょうなあ。じゃあゆっくりしか弾けんのかヴィトは?というと、「Let's get Crazy」ではフルピッキングで異常に正確に弾いたりしています。彼は奥が深い。
ただ、私のイチオシは殆どGソロのない「Cry for Freedom」だったりするんですね。これぞ哀愁!という曲で、ヴィトもイモなソロなどありえず、最後のゆったりしたロングトーンがもう泣き泣きでねえ。
楽曲にあったソロ、というのがこれほど曲のグレードを上げるのか!というのを知って欲しいと思いますです。
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コメント
ども。
私も大好きな一枚です。
完全に後追いですけど、ヴィトは凄いヤツでしたね。
復帰の話はその後どうなったんでしょうか?
投稿: elmar35 | 2009年8月10日 (月) 20時27分
elmar35さん、
駄目ですよ、そんなに完璧な解説をTBしちゃあ(笑)。いや、本当に構築美というのはこういうギターを言うんでしょうね。どうも不動産業をやっているという噂もあったり…勿体無さ過ぎですね。
投稿: ドイツ特派員 | 2009年8月10日 (月) 21時00分