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2009年8月 8日 (土)

「Humanity・Hour1」(Scorpions)から諸々考える

新しいカテゴリー作りますた。

よく、「隠れた名盤」っていうじゃないですか。でもそれは隠れたままになっているわけで、私としてはそういうアルバムを表に出したい、と思っていまして、「隠れるな名盤」としてみました。ま、全てがHR/HMなんですがね…

で、最初はドイツのベテラン・スコーピオンズの最新作で2007年発表のこいつです。


恐らく日本のファンの多くは、「Virgin killer」時代のファンが多いんじゃ無いかな?と想像しますし、私自身も当時のウルリッヒロートのディミニッシュやハーモニックマイナー連発の激泣きギターやクラウスマイネの「何処までシャープして伸びるんだあ?」という鼻声ハイトーンヴォーカルには夢中になりました。ただ、世界的には恐らくその後のマティアスヤプス加入→「Wind of Change(Crazy World収録)」大ヒットというのが彼らのキャリア頂点でしょう。

(Virgin Killerの「No Image」は少し笑いますね、うーん、さすがにHR知らない人にあのジャケットは出せないな)

その後、段々とパワーバラード系が増えてきて日本でも話題に上ることは少なくなり、「Eye II Eye」という迷作(とはいえ、メロディーはちゃんと蠍節なんですがね)で見放されたという流れです。

ところが、この前の「Unbreakable」からの往年の蠍復活から、今回の「Humanity・Hour1」ときて正直びっくりしました。

これは今までのスコーピオンズの集大成か?

確かにクラウスの声は全盛期とは比較できないほど高音を出していませんが、その上手さは全く健在。ルドルフのカミソリバッキングこそ少し減りましたが、HRのエッジを残し、しかも前期のウルリッヒ期に持っていたヨーロッパ的な陰影を入れてある。

このアルバムは、「彼らにしては」「ベテランにしては」という言い訳を必要としない、しかもクラウスの声でなくてはできない音楽という意味で、さらに楽曲の充実ということを考えると、素晴らしい名盤だと思うんですよ。まあデスモンドチャイルドが関わったということはあるんですが、誰が関わってくれても良い音楽なら良い訳で。

夫々一曲ごとの説明はしませんが、私としては、「The Cross」の哀愁とポップさ、「321」の溌剌さ、「Game of Life」の正に蠍節!というメロディー(ちょっと「Rock you Like a Hurricane」に似てる)、そして最後の「Humanity」での凄絶なまでの美しさ、を推したいですねえ。

で、このアルバムを聞いていて幾つか思ったことがあるんですね。

1.成熟したHRというのはこういうものではないか?
普通HRやHMと言う分野は「大人」とか「成熟」と言うことをかなり拒絶する音楽だと思います。ですが、このアルバムを聞いていると、「成熟したHR」というものがあるのであれば、こういう音楽になるのではないか?と感じています。いや、例えばManowarのように「Death to False Metal!」でまい進するのも素晴らしいですが、寧ろHR/HMの裾野を広げることを考えると、こういうHRも充分に受け入れられるんじゃないか?「成熟する」というのも悪いことじゃないな、と思わせてくれたアルバムです。

2.年齢という考え方を取っ払ってみる
今の世の中、とにかく年齢が低い方が偉い!という風潮が強いと思っていて、もううんざりしています。やれ最年少●●だ、未だ×才台の△△だ....。これって二つの意味で可能性を狭めていると思っていて、「じゃあ同世代の俺はもう駄目だよな」というものと、「もう俺の年齢じゃ駄目だよな」という二つの諦めを生んでいる気がするんです。
でもですよ、スコーピオンズのメンバーってもう還暦前後のはず。なのにこれだけのアルバムを出すことができたと言うのは、やはりあるキャリアが為せる業だと思うんですね。しかも出てきたアルバムは前述の通り、全く年齢が意識されないものです。
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とはいえ、これ、現在61歳のルドルフ。この筋肉、ありえねえ....。

3.でも何故話題にすらならないのか?
それでも忸怩たる思いになるのは、「これだけ素晴らしいアルバムが何故話題にならないのか?」ということ。これだけHR/HMが世界的に盛り上がっていて、同じベテランのIron Maidenがあれだけ盛り上がっているのに....。これはマーケティングの問題なのか、レコード会社の熱意の問題か、世の中の見方がおかしいのか…。

とつらつらと書きましたが、本当に良いアルバムですよ。もし、「あ、もうスコーピオンズは終わりだよな」と思っていたらちょっと見直してみてください。


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コメント

わざわざお返事ありがとうございます。
お子さん、素敵な趣味をなさってますね。
なんせ、私の周りはJ-POPしか聞かない連中ばかりなので^^;あとメタルって受け入れられませんからね、変なイメージが定着してて。

投稿: hunter51 | 2009年8月21日 (金) 22時33分

hunter51さん、

いやいやお子さんといってもhunter51さんと同じ位。で、そういう人ともブログで話せるというのはいい世界だと思います。

メタルが受け入れられない、ということは無いですし、hunter51さんの世代、期待してます。

投稿: ドイツ特派員 | 2009年8月21日 (金) 23時19分

そうですよね、メタルのいいところを皆に広めればいいだけですもんね。

これからはHR/HMのいいところを皆に教えて、
「こんなにすばらしい音楽がこの世にあったのか!」
と感動してもらえるように頑張りたいと思います。

どうもありがとうございました。

投稿: hunter51 | 2009年9月14日 (月) 01時42分

hunter51さん、

ということで、頼みます!布教活動。

投稿: ドイツ特派員 | 2009年9月14日 (月) 08時07分

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» 蠍団。 [帰ってきたフライング・野郎!!!]
私がScorpionsを初めて聞いたのは、父の車の中で父がRock you like a hurricaneを流したときだった。 父に、 「何この曲?」 と聞いてみると、 「スコーピオンズ。ヘヴィメタルだ。」 と返事が返ってきた。 私は、嬉しくなった。 身近に同じ趣味の人間がいたなんて気づかなかった。 スコーピオンズを通して私はマイケル・シェンカーについて知り、今に至る。 父のおかげですばらしいバンド、人を発見できたことに感謝、感謝。 最近のスコーピオンズはYoutubeで見る限り元気でやっ... [続きを読む]

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