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2010年1月23日 (土)

今日の新聞でどうしても気になった、勝間和代の一言

朝日新聞にbeという週末の増刊のような折込があります。その中で勝間和代が連載を持っていて、「人生を変えるコトバ」というコーナーがあるんですね。

で、今日はどうしてもその中のことが気になって仕方が無い。それはこんな内容(当方要約)。

「日本語は英語に比べて論理構成が弱く、情緒的な繋がりが多い。だから日本語を使うと行間の雰囲気を読んでいくため空気を読むということになる」

それは違うと思う。

良くこういう話は出てきます。「主語を言わなくてもよい日本語は論理が弱い」というのが代表的な例でしょうか。

まず、「主語」という単語が本当に良いのか?逆に日本語に翻訳されているだけで、元々は輸入された概念じゃないか、と私は思っています。この辺りは私も昔よく読んだ本多勝一の「日本語の作文技術」にある「三上文法」が有名ですが、それはあくまでヨーロッパ系言語の枠で無理に日本語を語ろうとしているだけではないか?「三上文法」で出てくる有名な例題は、

「象は鼻が長い」の主語は何だろうか?

というもの。よくこれに対して、

「象の鼻が長い」と言えるんだから、「鼻」が主語だろ?

という回答が出ますが、私に言わせれば、元から意味の通った文章を言い換えて文法に押し込めている話で土台おかしい。「三上文法」では、「要は日本語では修飾・非修飾の関係が基本になっている」としていて、「主語という概念で日本語を説明するのは無理がある」としています。ま、「三上文法」にしても色々な議論はありますが、割と分かりやすい理解だと思っています。

で、勝間さんの話に戻すと、「論理構成が弱い」ということと「情緒的」ということが対立項になっているんですが、「論理構成が弱いと情緒的」というのも「情緒的だから論理構成が弱い」というのもどちらも成り立たないのではないでしょうか?正直「情緒的な繋がり」というのが何を意味しているのか、「論理構成が弱い」というのは何が言いたいのか良く分からない、というのが私の本音。

で、このコラムを更に読み進めていくと、それこそ論理破綻が起こっているんですね。というのは、これを元に、「日本人は空気を読みがちで、読めない人は『KY』と言われ嫌われる。だから同調思考に陥りがち」と言っていながら、「これは実は他国でも同じです」として、「アッシュの実験」や「ミルクラムの実験」を例に出している。ということは、言語の論理構成などは何ら関係ないということになりませんか?何故この話を枕に持ってきたのか分からない。

私自身は、言語の論理構成については、「強い・弱い」という基準ではなく、「AかBか」という違いでしかないと思っています。もう少し言えば、世界には数多の言語があり、そのどの程度が共通の統語系統を持っているかを検証しないと、どうしても英語や同様のインドヨーロッパ言語を絶対的な基準としてみてしまう怖さがある。「論理が弱い」のではなく、「論理が違う」というべきでしょうね。

一つ注釈をすれば、私は別に「だから勝間和代は…」ということは言っていない。あくまでこの新聞のコラムで出た内容を少し疑問に感じた、という以上でも以下でもありません。彼女への好き嫌いは別にして、あくまでこのコラムに限定した話でございます。

てかさあ、何で日本人なのに英語の名刺は名前+苗字なんだ?俺は認めんぞ!

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コメント

ドイツさん、ご無沙汰しています。

勝間和代さんは、去年のベストセラー「断る力」しか読んでいませんが、人間が陥りがちな「同調思考(行動)」から「いかに抜けるか」ということに関心がおありのようですね。「アッシュの実験」は彼女お得意の例え話らしく先の著作だけでも再三に渡り紹介されています。

私自身は、同著で林真理子さん他”超一流の方々”に対する評として、みなさん「ものすごく自然体だし、ものすごく物腰柔らかなのですが、目の中に強い意思があり、ことばには強い力があり、そしてそれを行動で表すような軸が一貫しているのです。」という表現に、情緒的うんぬん以前の問題を感じたのですが、…ごめんなさい、言い過ぎました(笑)。

投稿: トネリコ | 2010年1月25日 (月) 22時29分

トネリコさん、

同調行動についてよく、「日本人は●●、アメリカではxx」という話がでますが、それはおかしいんですよね。イラク侵攻時のアメリカ世論なんて正に同調思考、北朝鮮もかくやという状態でした。

まあ有名人を超一流と評していいのか?という疑問がありますね。言い過ぎなんてとんでも無いです。好きに暴れて下さい。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年1月27日 (水) 20時19分

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