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2010年2月27日 (土)

ファーストネームでのやり取りに慣れない…

今勤めているのは米系の会社でして、当然のことながらみんなファーストネームで呼び合っています。

が、どうもそれが私には慣れる事ができないことなんですね。

まあ日本人の大半は慣れないことだと思いますが、どうしたもんか....。

と思いながら、Bill Brysonという作家の「I'm a stranger here myself」というエッセイを読んでいたら同じような話が出てきました。この本は、アメリカ人であるBrysonが、20年以上の英国生活の後にまたアメリカに帰った時の様々な違和感を書いているものです。

ちなみにこの本、一つの章が短いのでツマミ読みできます。

この中で、”Number, Please”という章があり、そこにこんな事を書いていました。

「アメリカの社会保険局に電話した時なんだが、クソ長い保留の後にいきなり、『すみませんね、ビル』と来たんだよ。え?初めての相手に『ビル』だよ。『ブライソン様』でも『貴殿』でも『有難き納税者様』でもないんだぜ。もう口からジュースを噴いたよ。」

「イギリスでは10年以上同じ税理士に税務をお願いしていた。そりゃ信頼していたけど、その間一度も『ブライソン様』以外の呼び方はされなかった。これがアメリカに来て新しい税理士と話を始めた途端、『あのさあビル』と来た」

この欧と米での感覚の差は良く分かります。例えば、ドイツ語には「あなた(方)」を示す際に「親称」と「敬称」があります。前者は身内だったり同級生だったりの「おまえ」に近い感じ、後者は「あなた」という尊敬称ですね。これに合わせて動詞が変化するわけです。で、あるドイツ語初心者用の本を見ていたら、こんなことを書いていました。

「この本は少なくとも社会人以上向けに書いている。そうすると親称を使うことは殆どないはずだから、無理に親称に対する動詞変化を覚える必要はない」

それを読んで当時、「ああ確かにそうだな。ビジネスにしても町内にしても『オマエな』と呼ぶ事はないようなあ」という感覚でした。日本でも、社会人以降で知り合った人にあまり馴れ馴れしく話しませんしね。実際に欧州で仕事している時も「Mrs.~、Mr.~」だったり、ちょっと日本を知っている人だと「~San」と言ったりして、ファーストネームでの呼び合いはついぞなかったですね。大体、親称と敬称がある時点でファーストネームで呼び合うというのはかなりの間柄に限定されるんじゃないか、と思いますな。

ところが今の会社、当たり前といえば至極当たり前なんですが、みんなファーストネームなんですね。というか、ファーストでもラストでも構わないんですが、呼び捨てっていうのがどうにもしっくり来ない。またファーストとラストで同じような名前の奴もいたり(Brian Paulみたいな感じ)、「一体どっちがどっちじゃあ?」という混乱の極み。

で、今はどうしているかというと、自分より明らかに年上の人には「~San」としています。まあ日本の感覚そのままですね。多分アメリカでは正しくないんでしょうが、ここは自分の気持ちが落ち着く方向で仕事しようか、と。

何かオチなしなんですが、誰か何か知りません?(知ってどうする?)







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コメント

>『すみませんね、ビル』と来たんだよ。え?初めての相手に『ビル』だよ。もう口からジュースを噴いたよ。

>例えば、ドイツ語には「あなた(方)」を示す際に「親称」と「敬称」があります。

なるほど!
ヨーロッパ・日本VSアメリカですか。相手方との距離の取り方が、言語気質に如実に表れているのですね。王様(貴族)がいたかいないかの違いじゃないですかね。
っていうか、アメリカ人が革命的(異常)なんじゃないですかね。
この国の物事の進め方は、現在はその経済力からビジネスシーンでもマジョリティになっていますが、今後、中国とかインドとかの第三勢力(ごめんなさい。他意はありません)が台頭してきた場合、どうなっていくんでしょうね。
日頃狭~い世界に生きている私には見当もつきません。
言葉って、本当に面白いですね!

投稿: トネリコ | 2010年2月27日 (土) 22時10分

トネリコさん、

ほんと、言葉は色々なことを教えてくれるはずです。が、中々そこまで踏み込めない自分が歯がゆいです。インドなど、アレだけの多言語国家ですからどうしているのかと思えば、自国民同士がビジネスでは英語ですからね。いいのか悪いのか良く分かりません。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年2月28日 (日) 21時04分

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