捨て曲無しでも曲順は重要です:「1987」(Whitesnake)
バンドの課題曲にこのアルバムから決まった、しかもelmar35さんの記事も刺激になったりして、問答無用の名盤であるこいつを聴いています。
これをリンクしたのにはちと理由がありましてね、それは後ほど。それにしても何時聞いても凄いアルバムです。
元々Whitesnakeというバンド、華々しさとはあまり縁のない湿っぽいブルージーなロックをやっていたわけです。皆さんご存知のように、中心人物はVoのデヴィットカヴァーディルで、その他のメンバーは流動的です。ただ、大きく言うとやはりギタリストで分かれていて、その個性でかなり音楽性が変わっています。まあそれはオジーオズボーンほどの変わり方では無いにせよ、ですが。
で、バンドで以前は「Bad Boys」やっていたり、今回は「Is This Love」が課題になったり、と何か定期的に聴かなきゃならない時期がでるんですね。で、その曲だけ聞きゃあいいものを、やはりいいアルバムなんで全部聞いてしまうんですね。
このアルバム、前作「Slide it in」から参加していたジョン”殿”サイクスがメルギャレー脱退後にシングルギターとなって作られたもの。その他はDrにエインズレーダンパー、Bにニールマーレイという超強力リズム隊。
確かに超名盤のこのアルバム、捨て曲一切無しと言っていい構成の上、全てのメンバーが出している「気」が半端じゃない。よく言われるサイクスのエグいまでの極太ギターサウンド、それを支える以上にドカドカ出てくるリズム隊がまた曲を煽る煽る。上に紹介した「1987」というイギリス盤に入っている、隠れた名曲である「Looking for Love」の後半で出てくるサイクスの弾きまくりとそのリズム隊の迫力たるや、何でこの曲が日本盤で未収録なんだ?その他の夫々の曲については細かくは省きますが、やはりサイクスのギターが凄い。本当に単音か?というバッキング、無茶弾き一歩手前の超早弾き、極悪そのもののピッキングハーモニックス、ドンだけうねらせるんだ?というヴィブラート...。その中で「Straight for your heart」のゲイリームーア節丸出しのソロがちょっと微笑ましかったりします。
但し、このアルバム(と次の「Slip of the Tongue」)は実はWhitesnakeの音楽性を考えると物凄く異質なんですね。Whitesnakeというより、「ジョンサイクスfeauturingカヴァーディル」と言う方がしっくり来る。だから本来のWhitesnakeとしての名盤というのは恐らく「Ready and Willing」か、「Live...in the heart of the city」じゃないかな?
少し外れますが、正直なところ、最近のWhitesnakeは殆ど聴いていないんですが、ちらっと見たDVDでのカヴァーディルの声を聴いて、少し痛々しかった。寧ろ今は初期に戻って湿ったハードロックをやった方が良いし、そこで必要なバックはギターヒーローじゃないんじゃないでしょうか?
で、上で紹介した盤について、あれはイギリス盤ですが、通常はこちらが紹介されるんですな。
で、問題は未収録曲もさることながら曲順。日本盤は、
1. Crying in the Rain |
2. Bad Boys |
3. Still of the Night |
4. Here I go again |
5. Give me all your Love |
6. Is this Love |
7. Children of the Night |
8. Straight for the Heart |
9. Don't turn away |
となっています。それに対しイギリス盤は、
1. Still of the Night |
2. Bad Boys |
3. Give Me All Your Love |
4. Looking for Love |
5. Crying in the Rain |
6. Is This Love |
7. Straight for the Heart |
8. Don't Turn Away |
9. Children of the Night |
10. Here I Go Again 87 [1987] |
11. You're Gonna Break My Heart Again |
という順番。で、イギリス盤の10と11を省いて聞き比べると、私は圧倒的にイギリス盤の方に軍配を上げます。多分肝は「Children of the Night」が最後に来るかどうか、でしょう。これが最後に来ると燃えますぜえ。
さて、これを練習ですうううう。
カバ嫌いなクセにカバみたいな歌い方でやんの…。
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コメント
リンク貼ってもらってたんですね。
・・すみません。(笑)
“1987”ってタイトルで出てたのは記憶にあります。
当時は意味不明でしたが、なるほどそういう事ですか。
上のライヴはサイクス名義の“BadBoyLive”としてCDで出てますね。
このギター聴くと手管が半端でないのが良く分ります。
やっぱ凄い。
投稿: elmar35 | 2010年3月10日 (水) 08時14分
elmar35さん、刺激にさせてもらいました(笑)。
このライブで見ても、あの小さいピッキングアクションであの音。有り得ないですねえ。
練習します…
投稿: ドイツ特派員 | 2010年3月10日 (水) 08時51分