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2010年3月20日 (土)

23年目の待望:It Biteコンサート

アメリカ出張ったってですな、こっちには優先するものがあるわけで…
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Once around the worldツアーですよ、旦那。

もう以前から何度も何度も「20世紀音楽遺産」「墓場に持っていくCD」と言い続けているIt Bitesの「Once around the world」、今回は再現ツアーということでした。予想として、Riotの「Thundersteel」やJudas Priestの「British Steel」の再現ライブなどでもやっていたような、色々と他のアルバムの曲を挟んでの全曲演奏と踏んでいました。感じとしては、「Live in Montreaux」に全曲入れる、と言う感じですかね。大阪公演が先にあるのは知っていましたが、客入りの情報以外は敢えて入れませんでした。


で、一曲目から軽快な「Ghost」から入りまして、後は「Underneath your Pillow」「All in Red」「The wind that shakes your body」「The Tall ships」と行きまして。特に「The Tall Ships」の少しアコースティックなアレンジは美しかったですね。あと、「All in Red」の最後のジョンミッチェルの早弾きもアグレッシブで素晴らしい。

で、いきなり「5分休憩ね」と言って引っ込んだ…

ということは、今までは前座かw

ということで、「Once around the world」アルバムの再現が始まります。

もうね、詳細は省きますよ。フランシスダナリー不在はこれはずっと言われると思うんですよ。でも、ジョンミッチェルは充分再現できていたと思うし、それ以上に楽曲の力が強いんです。で、その強さをジョンは殺していないし、例えば「Rose Marie」なんかは彼なりのレスペクトを入れたアレンジでこなしていたし。まあ「Old man and Angel」のイントロがずれた、とか「Once around the world」の途中でつまずきそうになったとかがあっても、それすら23年も待った私にとっては今日のライブをより強く記憶付けるシーンになっています。

で、「Plastic Dreamer」が終わってまた引っ込んで、最後の「Once around the world」がいわばアンコール扱いです。

23年目の正直....やっと、やっと全てが生で聞ける....

この事実だけで本当に鳥肌が立ちました。スタジオはのみならず、「Live in Montreaux」も相当聴いているはずですが、やはり「やっとライブで聴ける」というこの気持ちは全然違う。

あのミュート音からKeyが被さり…

やっぱり、「Once around the world」の煽情力は半端じゃない。今までコーダしか演奏していなかったんですが、冗長な長さではない物語性。高いミュージシャンシップ。その上である種のポップさが充分保たれているこの曲は、正直奇跡なんじゃないか?と思うことがあります。

そして最後…やはり駄目ですね…

終わりを聴きたいような、終わって欲しくないような相反する思い。次にいつ聴く事ができるかわからないもどかしさ。その中で綴られるあまりに美しいコードストローク。これほど単純で美しいパワーコードを私は知りません。

これ以降のアンコールはありませんでした。が、個人的にはこれで終わって良かったと思っています。最後の「I'm sure you've enjoyed my day」で終わる美しさが私には納得感が強い。

ほんと、いいライブだったと思います。多分細かなミスはあったと思うし、上に挙げたところはかなりやっちまったところではありますが、良いじゃないですか、ライブなんだからその程度は。

昨年のライブも「The Tall Ships」の曲を含め、とても良いものでしたが、今回のライブも、「現役であるからこそ許される回顧」であったと思います。フランシスのIt bitesも良かったし、ジョンのIt bitesも良い。同じバンドで二つの味わいができるなんて、考えようによっては贅沢ですよ。

暫く余韻に浸りたいと思います。



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コメント

はじめてお邪魔します。私も今日o-eastに行ってきました!日付が変わってもまだ感動冷めやらず、
どなたかと共有したくてこちらにたどり着きました。感謝です!!
自身も、IBを知ったときにはすで解散していて、でも二十年来favorite bandとして不動で・・・
夢のような二時間でした。同年代ですかね?(笑)
そうはいってもやっぱり「FDの」IBが幻となってしまった現実を改めてつきつけられた
今日のliveでもありました。これは言っちゃいけないのかしら。
でもこれからのIBも応援していきます。

投稿: 匿名 | 2010年3月21日 (日) 01時01分

匿名様、お越し頂き有難うございます。あの場に一緒にいらっしゃったとのこと、私も共有できて非常に嬉しいです。

フランシスの不在を感じる人はいるでしょうし、私も「全盛期のフランシス」をライブで見ているので良く分かるんです。ただ、それ以上に「今でも現役のIt Bites」があることが素晴らしく、それを支えているジョンもやはり素晴らしいと思っています。

その他のエントリーは駄文の羅列ですが、またお越し下さいませ。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年3月21日 (日) 07時57分

同じく行って参りました。
予想以上に冷静に聴けた1部。
ヤバい、意外にするっといっちゃうかもと思ったのも杞憂。
ミッドナイト、ジューダス、イエクリの並びでヤバさが激増。ローズマリーの変化球アレンジでアゲ。といいながらやはりアンコールでしょう!まあ細かいとこは抜きで打ち震えましたよ。あの流れからのEDはやはり最高潮。再アンコールでコーリングorスクリームという選択肢もあっただろうけど、アレで正解。余韻に浸りつつ酒を飲み、i-podで2nd再生しながら帰路につきました。近いうちにコチラもアップしたいと思ってます。

投稿: sorapapa | 2010年3月21日 (日) 15時09分

Sorapapaさん、

やはりいましたね(笑)。あのエンディングはいつも反則だと思いますねえ。アルバムの並びが完璧なことも今回再認識できました。だからアンコールなしでも私としては正解だと思います。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年3月21日 (日) 15時42分

ドイツさん、

文章を拝見していて、私アルバムを聴きたくなってしまいましたよ~。今月から、小学館の陰謀に引っかかって「黒澤明memorial 10(DVDブックシリーズ)」を毎月買うはめになってしまったというのに!(しかも全部見てるorすでに持っているというのに)

で、初心者は何から聴いたらいいのでしょうかね…?

投稿: トネリコ | 2010年3月22日 (月) 20時19分

トネリコさん、

出張で返事が遅れました。すんません。

黒澤映画!渋いところ衝いてますねえ。あとはヒッチコック辺りですかね?

お勧めですか?別に連絡します。この辺は思い入れが余りに強いので(笑)。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年3月29日 (月) 09時44分

ご無沙汰してます。
良いライブだったようで、何よりでございます。
・・やっぱ、この原盤は買いでしょうかネ?

投稿: elmar35 | 2010年3月30日 (火) 23時03分

elmar35さん、

「買い」です!もう「ホールズワース大好き!」が出ているギターソロですが、1stの「You'll never go to Heaven」のアウトなソロは、バラードで最高のアウトなソロだと思います。是非買ってください。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年3月31日 (水) 07時38分

こないだお邪魔した匿名です~ドイツさんの、ジョンが現役IBを支えてくれている、という考え方に共感しきりです。その通りですね!力まず、さらりとこなしているところがまた彼のすごさですよね!!
ところで「Live in Montreaux」を私は聴いていなかったので、今更ながら「国内版」を購入しましたが、ご紹介されているジャケ違いの一万円以上する盤は何か違いが?教えてください~。

投稿: | 2010年4月 2日 (金) 22時05分

匿名様、再度のご訪問有難う御座います。

ジョンの頑張りって凄いと思うんですよ。元々自分がIt Bitesファンだったというのはあっても、何しろフロントマンですからね。必要以上にでしゃばらず、しかも存在感はあるという。

ジャケット違いなんですが、私はこのジャケットのCD+DVDを持っているんです(もちろんトールケース)。以前はファンサイトでしか買えなかったんですが、恐らく音源は今発売されているものと同じだと思います。で、CDだけのものが何故これほど高値なのかは、ジャケ違いだけでは説明できないですね。ちなみにDVDも「ライブイントーキョー」として出ているものと同じだと思います。

結果は「良く分からない」です。申しわけありません。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年4月 2日 (金) 22時37分

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