この調子ならもっと人が寄ってくるのに:「50代からの選択」(大前研一)
ま、歳を取ってきたということで。
先日大阪方面に出張した時、手元に軽く読む本がなくてJRの売店で昼飯と一緒に買ったのがこの本。
ネタなんですけどね。
たまたま並行して読んでいるのが広瀬隆の「パンドラの箱の悪魔」を読んでまして、「そういや大前研一って同級生だよな」と思って、軽く読めそうだと思って買ってしまいました。多分これって口述筆記じゃないかな?
ここの大前さん、結構枯れた意見を吐いてます。
「もう50代で普通なら大した役目は果たせない」「優先は遊びにしろ」「都知事選には負けたし」
まあ読者層で内容を分けているんだと思いますし、こういう枯れた内容ももしかすると演技かもしれませんが、正直この路線だと彼の意見を聞けるんじゃないかな?と思うところはあります。
以前も記事に書きましたが、彼の意見って、結構愚痴が多かったり自慢が多かったりして鬱陶しいところがあるんですね。「リーダーシップ」を説いている割には「それじゃ人が付いていかないだろう!」という言い草が多い。考えてみてくださいよ、「俺はこれをやった、それがわからないのは何故だよ?」なんていう人に付いていきたいですか?
ではなくて、ある弱さを出しちゃった方が良いんだと思うんですよ。例えば、最初から「僕ね、こんなに駄目なんですよ、駄目なこともしてきたし」と言っておけば良いものを、それを隠してその弱いところが出てきて慌てる…みたいなね。で、この本はその弱さが以前よりは素直に出ていると思うんですよ。まあ彼自身が50代などにあまり期待していないからこそ本音が出たのかも知れません。
この本で私が「そうだよね」と思ったのは、「やりたい事は先延ばしにするな」ということ。私自身は、やりたい事を「定年前と後」で分けたくない。というか、メタルなんて今やるだけやっておかないと駄目だし、特に楽器は今のうちに練習しておきたいし。旅行もそうで、年齢によって見える風景は違うはず。今やりたい事はやっておきたい。美味いものを食いたい、人にも出来るだけあっておきたい、本も読んでおきたい、綺麗なねえちゃんに…略)。
ただなあ、相変わらず一貫していないところがあるんですね。一番「ええ?」と思ったのは、以前は「相続税をなくせ、それで日本人は投資を学ぶようになる」と言っていたと思うんですが、この本では、「どうせ金は残しても幸せには身に付かない。死んだ時に金を使い切る事を考えよ」と言ってみたり。個人的には自分の金は自分で使い切るつもりなんで、後者で良いんですけど、使い切るほどの金がないです(涙)。
少し思ったのは、「実はこの人、あんまり考えていないおっちょこちょいだろうな」ということ。何か他愛のないことを話したら結構面白かったりして。
多分本人は嫌だろうけど。
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