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2010年6月26日 (土)

一般化の危険

最近、色々と働き方・働く事についてのブログを見ることが多くなりました。で、そういうところでかなり気になる論調が多いなあ、という事に気付いた今日は梅雨の真っ只中。

何だろうな、やはり日本のガラパゴス化に対しての苛立ちが多いんですけど、よくあるのがこんな意見なんですね。

1.日本は仕事が家庭よりも優先される。家庭に優先するものは全くない。
2.日本の労働は効率が悪くて全く駄目。海外では日本のような長時間労働はない。
3.英語教育を始めとする教育が全く駄目だから、もう公教育は止めた方がいい。
4.韓国企業の躍進から日本は取り残されている。韓国に見習うべき。

確かに長時間労働は改められるべきでしょう。家庭が犠牲になる一方の仕事も駄目だし、教育が問題を抱えているだろうことも事実。パナソニックとソニーを合わせてもSamsungに及ばないのはよく知られた話です。効率ももっと良いに越したことはない。

でも、ちょっと待って下さい。

それを全て大括りで論ずるのは乱暴過ぎないでしょうか?少なくとも私が今まで努めた会社で無茶な残業は無かったし、海外でも長時間労働は腐るほどあります。教育が駄目、といっても今までの公教育が全く駄目ではない。韓国企業の話も出てくるのはHyundaiとLGとSamsungばかりで、じゃあRotemやHynixやKohapはどうなの?という話で。問題意識としてこういうことは正しいと思うんですが、何か「坊主憎けりゃ袈裟までも」という感じがあって非常に不健康な議論があるんですね。労働環境の部分でも、例えば仕事が家庭より優先されるとして、多少家庭が家族の仕事をサポートする時期があってもいいと思うんですよ。これ、以前話した日本板硝子社長の辞任でもそうなんですが、家族は瞬間でも仕事を優先させては駄目なんでしょうか?まあその閾値を彼の場合は超えてしまっていたんでしょうから辞める、ということになったんだと思いますがね。残業している人の効率が皆悪いわけでもないし、私はそうやって働いている人たちを人括りにして、「効率の悪い日本人」とは言いたくない。

何だろうな、一つの事象の一般化が過ぎる気がするし、もしかすると一般化する軸が違うのかも、という事は常に考えていた方が良いんじゃないでしょうかね?いつも思っているんですが、例えば長時間労働の問題って、国よりも業種で考えた方が分かりやすいんじゃないか?と思っています。昔私が関係していたので実感として分かりますが、半導体、という括りで行けば、世界中の技術者(と言って良いと思う)は本当に長時間働いています。で、長時間働く事をしなかった国の半導体会社はほぼ沈没したり。だから良いんだ、ということじゃなくて、少し切り口を変えたほうがいいんじゃないかなあ?自分の進む方向を間違えてしまうんじゃないかな?といういらぬ心配です。

なんていって、定時で帰るし家では一切仕事をしない私は、いいのか?本当にいいのか?

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コメント

考察対象を絞って帰納的に得られた認識を、演繹では絶対的に使うと言う、単純な論理学的間違いです。

人を騙す(もしくは自分の考えに同意させる)為に用いられる古典的手法であると思います。

エントリーの例の様に変な事を言う人は、意識的に使っている可能性があるのですが、大部分の人は知らない間に間違った使い方をしていると思います。

この辺は、左翼(リベラル)に人々が、時間を掛けて練り上げてきたテクニックなので騙される人も多いのですが、見破るコツ、帰納的結論が全てを網羅しているのかをちょっと考えるだけでわかります。

例外を認めると議論が弱くなるので、切り捨てる事で説得力を上げようとするだけです。

ドイツ特派員さん、悩む必要はありません。これで良いのです。(私は、ホームオフィスなので、自分が働いている意識さえもあやふやです)

投稿: ysjournal | 2010年6月29日 (火) 22時52分

ysjournalさん、

一時の納豆やココアなどの健康食品ブーム(ダイエットという手軽さがまた蔓延の一因だと思っています)でもそうなんですが、少し考えればおかしい、ということがまことしやかに流れることが多い今日この頃です。注意していきたいと思います。

今日もかつての同僚(二人とも転職して伝統的日経企業からアメリカ系企業へ)と飲んでいて、働き方の話になりました。今の仕事環境ってそんなに悪くないよな、という結論になりました。この辺はまたエントリーします。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年6月30日 (水) 22時45分

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