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2010年6月 3日 (木)

クールなハードロック:「Thunder Seven」(Triumph)

トリオでインストバンドを考えていましてね、でも、何故かBがサドで「Dream Theaterやろう」「いやいや、Satrianiどう?」とか。

出来ないですって(涙)。

とはいえ、どれかを選びそうな私。で、それがMだと言われる所以かもww

で、私としてはトリオといえばTriumph。聴いているのはこいつです。


これを「隠れた名盤」というのはあまりに失礼ですが、Triumphの評価が日本では低いんでね。

Triumphって、カナダでトリオという事で、Rushとの比較をされた事が過去にありますが、音楽的には全然接点はないと言っていいです。Triumphの音楽は物凄く明快なアメリカンハードロック(カナダだけど)です。

この頃のTriumphは絶好調で、かなりライブも大掛かりだったと聴いています。何でも「光の洪水のようなライブ」という表現を見かけたことがありますが、その後入手したライブでも結構バブリーなライブだったと思います。ただ、このときはサポートギターを入れているんですね。


Triumphの魅力って、「湿気がないこと」かな、と思っています。ハードロックというのは多かれ少なかれ湿度を持っていることが多いんですが、Triumphに関しては湿度が物凄く低い。例えばこのアルバムでも、「Cool Down」のような典型的HRでも、どこかカラッとした感じが強い。それは恐らくVoがみんなストレートな歌い方だからかな?と思いますし、音に粘ったところが少ないんですね。

ギタリストとしては、やはり多芸なRik Emmettです。いやあ彼ってアコースティックも上手いし色々な音楽を吸収している物凄く多彩なギタリストです。もっと日本でも評価されてもいいんですが、何故かあまり話題にならない。多分ハデさという意味で少し地味だからかもしれません。このアルバムの一つのハイライトであるアコギソロの「Midsummer Daydream」、これなんて本職かい?というような出来です。私はいつもこの曲がAndrew Yorkの「Sunburst」にダブるんですが。

なんちゅうダンディーさ。

で、ロック側で行けば「Time Cannon~Killing time」の流れがあまりに素晴らしい。美しいHRの流れであるこの二曲、やはりマイナーなのに乾いた感じが独特でいいんですね。

最後の「Little boy blues」をバンドでやろうか、ということで聞いているんですが、この曲なんて乾いた感覚が物凄く出ている曲ですねえ。これでGary Mooreなんかが弾いたら大泣きの曲になるところ、Rikのある種の都会的な感覚がお洒落側に持って行っている気がします。この辺りが彼らの魅力でもあり、日本で今一歩評価が低いところでもある気がします。

Triumphって駄作がないバンドだと思いますので、どれから聞いてもいいと思いますが、このアルバムは良いですよ。最後に音源だけですがその「Little Boy Blues」です。いい曲だなあ。

こんなに渋く弾けるのか?いいのか、この曲で?

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コメント

「Little Boy Blues」
うわー、渋い・・・。
朝、有線で色々聴いてるのですが、J-POPといわれる日本のメジャーな音楽シーンがいかに「コドモ」「アニメ」に占領されているのかつくづく感じます。オリコン・チャートなんて落ち着いて聴けたものじゃないですよ。なにせ「Monster(怪物くんの主題歌)」「けいおん!」がヒット・チャートに入る時代ですから。
別に何もかも「欧米では」なんて言うつもりはありませんが、それでも「Little Boy Blues」のような音楽を受け入れる土壌(裾野の広がり)がもっと日本にできたらいいなぁ、と思います。

それにしても渋い。
にーさん、ガンガツテケレ~。

投稿: トネリコ | 2010年6月 5日 (土) 04時33分

トネリコさん、もう言いたかったことを言って貰って本当に嬉しいです。

何だろうな、今の世の中って、全てが若い人への媚びで動いている気がするんですよ。で、ちゃんと扱わないというか。「若い奴にはこの程度で」という感覚でしょうか?それに洗脳されているのも情けないですけどね。で、大人の方は「オヤジバンド」とか分かったような括りで終わらせちゃう。Jポップだって良質なものもあるし、詰まらんブルースもあるんですが、その前のラベル付けで全て終わらせているのが許せない。

ほんと、色んな音楽が溢れれば良いんですけどね。音楽だけじゃないですが。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年6月 5日 (土) 15時25分

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