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2010年7月 8日 (木)

雑感:社内英語公用化について考えてみた

何だか周期的にこの話題って盛り上がる気がするんですが、今回は楽天とファーストリテイリングが打ち出してますね、社内英語公用化。

楽天、2012年に英語公用化
ユニクロ、12年3月より英語公用化

いやあ、大変な世の中になってきたもんです。俺なんか飢え死にだな。

で、このことでじゃあ何が起こるのかを想像してみました(ちなみに私はこの件について賛成も反対もなく、「そりゃそう会社が決めたんだからそこにいる奴がどうするかだけだよね」という立場ですかね。好き嫌いはありますけど、それはまあ別)

一番起こるであろうことは、会議の短縮化でしょうね。それは、当然ながら良い面と悪い面があって、無駄な時間が削除されるであろうという良い面と、突っ込んだ議論が無くなるという悪い面がある。

よく、「エレベータートーク」とか「トイレトーク」とか言われて、「短い間で簡潔に説明できないものは会社が受け入れる事はできない」と言われます。で、これは当たっていて当たっていない。最後に至る凝縮されたものは確かに短い内容になるかも知れない。ですが、その凝縮に至るまではかなり色々な議論がなされるのが普通だと思っていますし、その過程が重要であったりもします。そうすると、そこの議論が英語の水準で頭打ちになってしまうことはあるでしょう。細かなことが言えずに、「もういいや」というところで議論を打ち切ってしまう可能性がある。そりゃMBA取って英語力のある人たちは良いでしょうが、国内のみで勉強した英語というのは限界があるでしょう。小さなこだわりが無くなる、と言う意味ではこれは良い事かもしれませんが、個人的な思いからすれば、ちょっとしんどい事です。

もう一つ、日本語で深く考えていた人ほど会社から出て行くかもしれない。例えば、「いやあ、通じる英語で充分です」という意見がありますが、「ああそうですね、通じるので良いんですね」と割り切れない人間も出てくるでしょう。少なくとも私なんかは割り切れない。私自身、恐らく通じる英語はそれなりに出来ているのかも知れないんですが、いつも隔靴掻痒の感がある。「こいつらとの会議、日本語だったらもっとちゃんと説明できるのにな」という思いがいつも抜けないんですね。で、その日本語の水準まで英語を持っていこうと考えると、もう途方もない努力(それこそ仕事辞めて一日英語漬けでしょうなあ)をしないと無理だろう、という結論になり、呆然とする自分がいたりします。日本語での議論でも、「こいつはこの単語をここで使った、それには何か別の意味があるはずだ」とか無茶苦茶悩んだり、上司への意見具申のメールでも「誤解はないだろうか」と二日くらい単語の使い方に悩んだり…。それでも誤解を受けたりするわけですから、言葉とはかくも深く難しい。

「通じる英語でよい」ということに関して言えば、「通じる英語で行なわれる思考での意思決定となる」ということでは、と思っていて、意思決定の水準が英語の水準になってくるんじゃないかという想像もしています。これを簡素化の良い面と見るか悪い面と見るか、やってみなければわからないですね。

今の私が勤めている会社の公用語は英語ですが、内輪の会話は現地の言葉でやってます。公用語、というのはあくまで複数の言語集団がいる会議に限られていて、現実はそこに行くんじゃないかな?と想像します。むしろ、上の二つの会社が意図するところは、「これから色んな国に出て行って仕事しようと言う時にさ、Non nativeとの会話で必要な英語程度も出来ないような能力の無い奴は会社にはいらないよ」ということじゃないでしょうか?頑張って何とか英語が出来るか出来ないか、という水準の人はもういらない、ということ。

ただ、よく「英語は論理的だから英語を使えば論理がはっきりしてくる」みたいなことを言われますが、少なくとも言語の間で論理の上下はない、と思ってます。あくまで日本語は日本語の論理では成り立っているもので、それは「上下」ではなく「相違」でしかない。英語を喋ったから急に論理的になるというのも只の幻想です。英語ネイティブであっても、理屈の通る喋り方が出来る奴出来ない奴はいるのもこれまた事実。

それでも、英語自身には逃げることはできないのが現実でしょう。日本が英語の水準がアジア最低水準だというのは、ある意味「幸福な国家」であった象徴かもしれません。で、それが逆ネジを食らって大変なことになるという、何だか「イノベーションのジレンマ」みたいな話です。

いやあ、大変な世の中だなあという随筆でした。

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コメント

まぁ、なんですかね…、こういう事書くのも珍しいんですが(笑)。
日本語って素晴らしい言葉だと思ってるので、大事にしたいんですよね、まず。上二つの会社って最近の会社で、まだ若いんだよな。だから突っ走るしかないって感じもあって、文化と歴史を知ってるワケじゃないので英語〜っていうんだろうけど、駄文結局もどってくると思う。それが日本人だろうから。ただ、どうなんだろね、社内がホントに英語だけになったらその会社わワールドワイドに成功するかもしれないけど、日本ではあまり好まれない気がするわ。ハイソな若い会社でいられればあり得るかもしれないが。

な〜んて、勝手な解釈して英語から逃げたがってる(笑)。いや、自分は全く関係なく英語じゃなきゃロックじゃない、と思ってますが…。

投稿: フレ | 2010年7月 8日 (木) 22時37分

 う〜む…。松山に行く飛行機でですね。どう見ても地方のおっちゃん、おばちゃんで満員の機内なんですけど、スチュワーデスさんが何か機内アナウンスするたびにいちいち英語で繰り返すんですよね。何となくですけど、ちょっと恥ずかしそうでした。

 楽天とユニクロ(ですよね?)…。英語が必要な場面で必要な部署とか人が使えばいいんではないかと普通に思うんですが、そんなんじゃこのグローバルな社会は生き残っていけないんですかねえ。

投稿: しまうま | 2010年7月 9日 (金) 23時21分

フレさん、この駄文に反応してもらえるとは(驚)。

結局、機微の部分は母語同士でやるわけですよ。例えば中華系シンガポール人と台湾人と大陸中国人、これはやっぱり中国語(微妙に違うだろうとはいえ)で話してますしね。寧ろ、それが出来ずに英語で話しているインド人は、世界の潮流からは良いのかもしれないが、心として幸せなのかは微妙です。この辺はフレさんが言っている「世界では成功するかも知れないが」というところかも。

でも、「英語で歌うんならちゃんとした英語で歌えや!」と日本人Voに怒る自分もいたりしてね(笑)。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年7月10日 (土) 09時31分

しまうまさん、

確かに国内線ではそうですね。あれってもしかすると社内規則で決めているのかも。以前びっくりしたのは、UKでロンドンからマンチェスターに乗った国内線で、いきなり日本語の挨拶が入ったこと。私とその同行者しか日本人はいなかったんですけどね。

うーん、グローバルな企業って一体何なのか?よく分からない今日この頃ですなあ。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年7月10日 (土) 09時35分

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