向上心について考えてみた
今日は三連休の最終日でして、先日購入したオリンパスPENを持って、Light Bringer聴きながら5kmのウォーキングしていました。
で、歩きながらあるギタリストの言葉を考えていました。それはZZ TopのBilly Gibbons。知っている人は知っている、テキサスの名ギタリストで、愛器「Pearly Gates」から繰り出す数珠のトーンは、数多のギタリストから尊敬と羨望で見られている人。
しかし羨ましいな、これだけバースト並べてると。ゴールドトップでいいから一本くれない?
その彼が「貴方がこれからどういうギタリストになりたいか?」とインタビューされた時の答えが、
「もっと早弾きが出来るようになりたい」
私は本当にびっくりしました。彼のように他のギタリストからも一目置かれ、それなり以上の地位を確立したミュージシャンでさえ、「もっと早く弾きたい」とは…。このインタビューは、それこそシュラプネル系のギタリストがドーっと出た頃で、「トーンを出す事は誰にも出来ない」とか、「早弾きばかりで個性がない」と言われ、彼やStevie Ray Vaughanなどが逆の意味で評価されていた頃。彼などなら、「早く弾くなどではなく、個性を」などと言っていれば皆「そうだよなあ」で終わったんだと思うんですよ。
でも、この発言は良いな、と思うんですよ。
何しろ攻撃姿勢じゃないですか。守りなんぞが全くない。ロックの表現として、早弾きというのは絶対一つありなんですよ。アグレッシブさ・スリリングさの表現としてはある。それを出来ない連中が必要以上に「早弾きなんて意味がない」というのは逃げでしかない。そりゃ没個性の連中も大量生産された事実はありますがね。
やはり全部手に入れたいんですよ。それを目指して、それでも捨てなきゃならないもんがあって、その中でもがいて個性にする。その姿勢こそが美しいんだと思うんですね。安住しないことは、どの分野でも向上に繋がるんだと。
で、そのZZ Topの名バラードである「Rough Boy」。ちなみにZZ Topの連中って、実際にはガリガリ(だと親交のあるギターショップの店長が言っていた)。本当に美しいロックギターのトーンがここにあります。
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コメント
ドイツ特派員さん
私は、超ド素人の音楽リスナーなのですが、趣味が近い様な。勿論、ZZ Top も大好きです。
なぜ、たった3人でオーソドックスなロックなのに、ミュージックビデオやアルバムのデザインは近未来なのか?、かしまし娘でも考えつかない様な演奏の途中でギターをぐるっと回す様な事を考えるのか?、アンバランスさに奥深い物を感じます。
「もっと早弾きが出来るようになりたい」剥き出しの向上心、素晴らしい。
投稿: ysjournal | 2010年7月20日 (火) 20時21分
ysjournalさん、素人なんてとんでもない。八神純子なんてすぐ出てきませんよ。
実はある筋の信頼できる情報では、ZZ Topというのは元は所謂「企画バンド」だったんだそうです。その流れは今でも残っていて、ああいうステージングやPVはブレーンがかなり考えているそうです。それでもあのギター回しは結構びっくりしましたし、MTV全盛でも異彩を放ってましたね。
あの年齢で成熟を拒否するような生き方、本当に素晴らしいと思います。まさにそうありたいです。
投稿: ドイツ特派員 | 2010年7月20日 (火) 21時44分