« 前提や肩書を取っ払ったほうが楽しいんじゃないか? | トップページ | ヤフオクって恐いですよ:かばん »

2010年9月 2日 (木)

Jロックンロールの金字塔:「King's」(Red Warriors)

Twitterをやっていると、「あ、このアルバム良かったよね」と思い出すものがあります。で、今回「そういやあ…」と久々に聴いているのがこれ。

Red'sは全て名盤ですが、今日聞いたのがこれです。

実は、HR/HMでも余り得意でないのがあって、それが俗に言うバッドボーイズ系。言ってしまえばRolling Stones~Aerosmith~Gunsという大雑把な系譜に入るバンドで、Motley ClueもHanoi Rocksも殆ど通っていません。いや、聴いてるんですよ、ある程度は。Aerosmithで言えば「Rocks」や「Live Bootleg」は相当聴いていた時期がありますし、一応Motleyも「Dr. Feelgood」や「Theater of Pain」は聴いていた、気がする。でも、あまり踏み込んだ記憶がないし、殆ど記憶から落ちている。

が、その中の例外がこのRed Warriors。

今iTuneでこの「King's」が流れているんですが、いやあカッコいいわ。自分としては世界最高峰!と勝手に言ってしまいましょう。よく、こういうのが出ると「日本ではオリジナリティーがない」とか言う話が出ますが、じゃあ外国のバンドでオリジナリティーがあるバンドってどれ?と言う話になるわけで。Rolling Stonesだって結成して少し経ってから、「あなた方のバンド名の由来は?」という記者の質問に対し、「お前バカか?この名前聞いて何でMuddy Watersが出て来ないんだ?」と怒った、という逸話の通り、変なオリジナリティーなんて意識していないわけですよ。で、その人、そのメンバーしか出来ないのがオリジナリティーだとすれば、このRed Warriorsはまさにそのオリジナリティーを持ったバンドだと思いますよ。

じゃあその源泉は?と言えば、音楽性の広さ。このアルバムだって、M1「King's Rock'n'Roll」やM8「Wild and Vain」の王道ロックンロール、M9「Party's Over」の少しジャジーなおしゃれな雰囲気、はたまたM4「The Day After」のサイケ感、M5「Another day, another time」の開放感、とかなり多彩。まあこの後のアルバムで(とりあえずの)ラストアルバムになる「Swingin' Daze」でこの辺の多彩さは更に広がるわけですが。特にコードの使い方が結構独特で、相当強引なコードチェンジ(M5などに顕著)を使ってしかも成立させるところが凄い。

で、その多彩さをRed'sの色にまとめるのが田所”ダイヤモンド☆ユカイ”豊の男気ヴォーカル。なんというかな、男が背中を丸めている哀愁と切なさがあってね、なんともいえない色気があるんだな。でもって、疾走系の曲ではこれがまたカッコいいんだ。M1の最後、「Sex, Drug and Rock'n'Roll!」なんて言葉、他の連中がやったらこっ恥ずかしいフレーズは彼じゃなきゃ様にならんぞ。でもって、歌っているところがまた何ともカッコよくて、Shakeとの絡みなんて最強だなあ、としみじみ。ちなみにM3「Shaking' Funky Night」のVoはShakeで、これも少しいなたい感じで良い味です。

また特徴なのは小暮”Shake”武彦のGの音。サムピック使いというのは知られたところですが、あんな音で普通は弾けないって。正直凄いギタリストですよ。バッキングも密かに凝ってるし、ソロにしても、あの音で弾くのはなんと言うか「裸で街に出る」ような勇気が必要でしょうな。それであんなにカッチョ良いソロ弾くんだから何をかいわんや。

で、意外とといっては失礼ですが、リズム隊がいいんだよな。重い、とかではないんですが、結構後乗りなんで全体の曲が落ち着くんですよね。これでリズムまで前のりになったら全体がぐちゃぐちゃになってたかもしれない。

このバンドももしかすると空前絶後のバンドかもしれない。これだけキャラがあってまとまったバンドは中々ないっすねえ。

YouTubeで拾った二つ。最初は解散前のライブ。

更に96年のライブがこれ。

やっぱカッコいいなあ。

|

« 前提や肩書を取っ払ったほうが楽しいんじゃないか? | トップページ | ヤフオクって恐いですよ:かばん »

コメント

私、実はバッドボーイズ系、B級系、スリージー系なロケンローバンドが
正統派HR/HMより全然好きだったりするんです。
イギリスにはそっち系のバンド多いんで、多少有名なバンドから
全然有名じゃないバンドまでライヴもよく行きました。

で、ようつべが見られる環境な今日なので見てみました。
レッド・ウォーリアーズって名前しか知らなかったんですよね。

この2曲だけ見たら、Hanoi Rocksっぽいかなあーって感じがしました。
というか、Hanoi+Aerosmithかなあー。
HanoiもAeroもよく知らなかったらかなり好きになっちゃってたかも知れません。
って、ほめてないじゃないか、私(殴)。
同じ系統の音楽だったらガイジンのほうがカコヨク見えてしまうミーハーでスミマセンー。

投稿: ぽんぽん | 2010年9月 3日 (金) 00時34分

ぽんぽんさん、どう思うかなあと考えながら記事Upしました。

Hanoi+Aeroというのはそうですね。多分Aeroは意識していたと思いますが、Hanoiは意識してないんじゃないかな、彼ら。イギリスのバッドボーイズ系って、アメリカほどケバくなくて渋いほうに走る感じがありませんか?ThunderとかWildheartsとか。あれ、知らんだけか(爆)。

いいじゃないですか、外人のほうがカッコよく見えても。好みっすよ好み。私はねえ、外人より数十万倍かっこよく見えるんですよ、Fuki様が(笑)。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年9月 3日 (金) 07時05分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Jロックンロールの金字塔:「King's」(Red Warriors):

« 前提や肩書を取っ払ったほうが楽しいんじゃないか? | トップページ | ヤフオクって恐いですよ:かばん »