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2010年11月27日 (土)

幻のCDから歴史を思う:「LA」(Laurence Archer)

先日、とあるところでマニアに囲まれる飲み会があり、私などは赤子をひねるような状態になっていたわけですが、そこである方にお借りしたのが、世界のメタル系CDで最も手に入れにくいとされているLaurence Archerのソロであるこれです。この盤は日本盤しか存在しておらず、今ではリプロ盤でしか入手できないもので、Amazonで見たら2.5万円となってました。

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(画像検索でのもので、これはオリジナルですね)

お借りしたのはイタリアでのリプロ盤ですが、何しろ初めて見たのでその場では結構取り乱してしまいました(笑)。こうやって見るとIt BitesのFrancisに似てるなあ。

内容はアダルトなロックとハードロックの中間という感じです。アーチャー自身がVoを取っていますが、言ってしまえば下手。曲ももう一歩練られれば更に良いものになると思うんですが、まだ素材段階という気がします。ただ、その素材としては個人的には結構好きだったりして。割と都会の夜、という雰囲気を出している曲で、例えばRitchie KotzenやNeal Schonのソロに近い曲調だと思ってます。

ただ、結構びっくりしたのは彼のギター。今までUFOの「High stakes and dangerous men」のプレイしか聴いたことがなかったんですが、何と言うかもっとソリッド。ギブソン系の音ではあるんですが、ぶっといという感じでもなく、結構刺さってくる音でちょっと不思議な感じ。あんまり歪ませていないんですが、かなり正確なピッキングで、マイケルシェンカーといういうよりゲイリームーア。その直系で言えばヴィヴィアンキャンベルが一番近いかも。ちょっとミュートを効かせた短三度の早弾きがカッコいい。例えばM4の「Hiding Away」なんてリズムが上手く乗っていてスリリング。M7の「Claudiette」のソロもソリッドでカッコいいし。

ここで思い出したのは、これだけのルックスとテクニックとゲイリー直系である、ということでジョンサイクス。いや、もしかすると当時のサイクスのポジションはアーチャーが取っていたかもしれないな、と。サイクスはNWOBHM時代にTygers of Pang Tangで出て、Thin Lizzy~Whitesnakeと流れた。かたやアーチャーはStampedeでデビューしてThin Lizzy解散後のフィルリノットとのGrandslam~UFOと流れた。当時のギター関係なんて狭い世界だったから、ちょっと関係が入れ替わっていればサイクスがアーチャーの位置にいたり、そこに実はフィルコリンがいたりしたかもしれない。実際にフィルコリンはエイドリアンスミスがIron Maidenに入るときの候補だったという話やDef Leppardにサイクスが入るという話はあったらしいし。

ただ、アーチャーの場合は作曲能力がハードロックの世界では今一歩だったかもしれないですね。まあサイクスだってWhitesnakeの「1987」とBlue Murderの1st以降はそれほどぱっとしてないんですが、何しろその二つが図抜けているわけで。更に、いかにもデヴィットカヴァーデイルのバンドと言いながら結構作曲は構成メンバーに影響されているように思えるWhitesnakeに比べ、フィルモッグが歌えば全て同じなのに素晴らしいというブレのないUFOというバンドの資質も違いがあったのかも。確かになあ、マイケルシェンカー以外のUFO歴代ギタリストはその後ぱっとしないしなあ。

この転がるような彼のギターは私は絶品だと思います。昔よりはリプロ盤が手に入りやすいそうなので、機会があれば一度聞いてみても良いんじゃないかな?

で、音源だけですが、Glandslam時代の「Dedication」です。この曲好きなんだよなあ。

時代というのはちょっとしたズレで大きく変わるんですねえ。

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