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2010年11月21日 (日)

青い鳥は居ないと心得る(マーケットの現場から)

先日たらたら仕事していると、アメリカの本社で営業・マーケティング担当副社長からいきなりメールが入ってきました。

「中国顧客Aの報告を読んだ。俺もその会社の購買とは会ったが、我々の製品が優れているのに何故価格を下げろというのか?当社の製品を理解していないのか、会う人間を間違えているのではないか?お前の意見はどうだ?」

これを読んで実はにやにやしてしまいました。「結局『青い鳥症候群』は何処にでもあるのだな」ということで。

まず前提から話すと、当社の製品は確かに品質が良くて、その分高い。にも関わらず世界シェアは50%くらい、アジアでも50%以上のシェアがあり、更に高収益になっていて、更に言えば今の会社は無借金で、全て手元資金でやり繰りしていますから、担当していても「はあ?」というくらいの事業です。

で、それは良いんですが、だからといって、「いやあ御社の製品は最高ですわ。いくらでも金は出します」なんて購買は居ない。もしそんな購買が居ればそいつは腹黒いか仕事していないかのどちらか。そんな購買を「いつもいつも値下げっていうのはどういうことか」という副社長。いやね、貴方ならどうなのよ?と突っ込みを入れたくなる反応で、営業担当の中国人に、「ま、適当にあしらっとこうや」ということで一致。実際行けば必ず「価格を安くしろ」「他社とはxx%の差があるので切り替えるぞ」「出来なきゃ支払いサイトを延ばせ」とまあ言いたい放題であることは事実なんですけどね。

何だろうな、上手くいかないと「どこかにもっと良い手段、良い人がいるに違いない」と思うのは古今東西同じなんですねえ。他にもそういう話はあるし、私が以前勤めていた会社でも山ほどあった。で、「俺はこうやって上手くやったんだからお前のやり方は駄目だ」とかという話になって「そんなアホと仕事できるかあ(怒)」とばっくれて早2年。じゃあてめえが仕事持って来いっていうの。

購買ということで話を戻すと、常に交渉を求める購買というのはある意味大事な窓口なんです。それは、
1.そうやって交渉の時間を取るという事は、製品を買いたい意欲がある
2.交渉を通じて様々な情報が入るので、同業他社への接触に参考になる
3.もし交渉がなければ黙って切り替えられるが、それを防ぐことができる
ということなんですね。とはいえ、私も良くやらかしましたよ、購買との喧嘩。日本企業で席蹴って帰ったこともかなりありますし、ドイツ人やシンガポール人と英語で大喧嘩になったことも多々あります。「お前は契約読んでねえのか、ああ?」とかどっちが売り手か分からない暴言の数々。まあ多少は大人になったということですかね。

私の場合、一般消費者向けの製品をやっておらず、顧客が製品を使って更に製品を作るという工業製品のため、いわゆるB to Cの仕事はやっていません。ですからかなり仕事のやり方は一般に出てくる製品(携帯電話や自動車など)とは違うと思っています。ただ、もし興味がなかったり買う気がなければニコニコして「じゃあいらない」で終わりですね。そんなところへは時間の無駄だから行かないし、口うるさく言って買っているところへの時間に充てたほうがいい。結局は「売れるところに売りに行く」というのが一番楽で効率が良い訳でね。

というちょっとしたメールからの四方山話でした。明日は休みだあ。

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コメント

ドイツ特派員様
私は、既に取引のある商品の値上げ交渉に生き甲斐を感じております。(契約上可能なので)「では、出荷しません」(こんな直接表現ではありませんが)と言う時の喜びは一入です。

俺がインフレを起こすのだという気概をもって頑張ってます。

投稿: ysjournal | 2010年11月21日 (日) 21時59分

 んな~るほど…。弊社の営業部隊に読ませたいような文章です。って私はウチの営業部隊のやってる仕事はできませんが…。

 最近の業績から見ると、たぶん交渉の入り口まで行ってないんじゃないかなあ…と思うことしきり。商品の競争力を上げるのは私らの責任なんですけどね…。

投稿: しまうま | 2010年11月22日 (月) 00時10分

ysjournalさん、

以前、値上げをやったときには何か高揚感を感じながらやった覚えがあります。「燃えるよな!」という感じでしょうか。「値上げ呑んでくれないんですよ」と後輩から言われ、「そんな客切っちゃえ切っちゃえ」と言いながらやっていたのを思い出します。

正当に価格転嫁ができると経済は好循環になると信じています。頑張ってください。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年11月22日 (月) 08時50分

しまうまさん、

価格競争から外れる製品の開発が肝なんですよね。営業の方法で商品価値自体を上げることはできないですから。

営業としては値段を下げるのは一番簡単なんですよ。ただそれはどんどん製品の価値を下げているだけなんで、体力勝負でしかない。良く言っていたんですが、「価格で失ったんなら欲しくなったときに価格で取り戻せる。あせるな。ただその中に製品価値の差があったら厄介だよ」ということですね。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年11月22日 (月) 08時56分

しまうまさん、激励ありがとうございます。
ある種の製造業の場合、コストプラスの価格設定という単純な考え方で良いのではないかと思っております。(マーケッティングの人には怒られますが)

リーマンショック以来、いろんな所でいろんな物の供給がタイトになりつつあり、価格調整のメカニズムがまともに機能始めたと感じております。

投稿: ysjournal | 2010年11月23日 (火) 05時55分

ysjournalさん、

そうですね、価格が需給関係の反映だというところに戻って来ているんだと思います。その方が買う方も売る方も結局良い状態になるんじゃないか、と考えています。

投稿: ドイツ特派員 | 2010年11月26日 (金) 19時51分

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