« やっちまったの幻の名盤購入 | トップページ | さて、中国語開始になりそうです »

2011年1月 8日 (土)

再発希望:「Some Aspects of the Moment」(Wolf)

しかし世の中には聴くに値する音楽は尽きないのだろうか…。

そういう思いにもなるのが今日この頃なんですが、前回の散財でも買ってしまった幻の名盤扱いされているWolfの「Some Aspects of the Moment」が素晴らしすぎるんですよ。

このアルバム、私は足掛け15年くらい探していました。

Wolfは関西のハードロックシーンでちらりと出てきて、その後消えていったバンド。アルバムはミニアルバム一枚とフルアルバム一枚(今回のもの)、更に過去の音源を集めた「Roll Over」の三枚だけです。で、ミニアルバムは数年前に再発されたものの、直ぐに廃盤で今は入手困難らしいです。これでGの黒木政彦の「K-Works」と合わせてゲスト以外のWolf関連のアルバムは全部あるはず。

Wolfはよく「関西様式美メタル」と分類されることがあるのですが、私の感覚はちょっと違っていて、寧ろDokken辺りに通じる哀愁のあるメロディーに凄腕ギターが絡むというスタイルだと認識しています。で、その要はVoの松本龍以のストロングヴォーカル。ストロングなんですが少し甘さが入った感じで、私は良く「人見元基に西田昌史(Earthshaker)が入った感じ」と説明しています。が、当たっているかどうかは良くわからん。

曲は上に言ったような正統的なジャパニーズメタルです。様式美で想像するTerra RosaやHelenとは違う(と思っています)。まあドラムは関西HRのお助けマン堀江仙人だし、そういう人脈にいたのは事実ですが。一曲目からシャッフルに乗った松本のVoが切り込んでくる「Beyond the Horizon」に始まりますが、その後の曲もそんなにフックが強い訳じゃないのに松本のVoが歌わせてしまう凄さ。上手いVoって、必要以上に曲をいじらなくても良いんですね。

で、このアルバムのハイライトは個人的にはM5の「Ray-Na」だと思っています。この曲は胸が締め付けられる哀愁ナンバーですね。言ってみればHurry Scaryの「Reaching for the Sun」やVowWowの「Don't Leave me Now」のような哀感。歌謡曲的といえばそうかも知れませんが、松本のVoや黒木のGがそこに切り込んでくるんですよ。こんな曲は日本人が一番得意なんじゃないかな?で、その後もファーストナンバーのM7「Impression」でも松本のストロングサイドのVoが炸裂、いやあ本当に良いVoだなあ。ここに上げなかった曲も松本のVoは本当によくて、何でこんなVoが出てこなかったのか本当に不思議。黒木がWolfの再結成について、「松本のVoが無いWolfなど意味がない」といってそこに行かないのはよくわかるなあ。

このバンドって、今のBurrn!の編集長がマネージメントしてたはずなんですね。彼は売りたくて売りたくてしょうがなかったのに「時代に合わない」とか何とかでサポートが受けられなかったらしい。Burrn!の記事や得点には「?」が多いですが、このWolfについては良くわかる。ほんとにね、再発して欲しいな。こんなレア盤扱いは余りに勿体無い。

入手は物凄く難しいと思いますので、音源だけですがこのYouTubeでその素晴らしさを味わってください。しかし良く上がってたなあ、この音源。

|

« やっちまったの幻の名盤購入 | トップページ | さて、中国語開始になりそうです »

コメント

5回じっくり聴かせていただきましたよ。
胸が締め付けられるというのも何か分かります。
切ないナンバーですね。
やっぱりヴォーカルの方のシャウトが際立っています。あと中盤のギターのソロもいいです。
15年探していたとのことですが、90年代半ばのアルバムですか?私には何となくもっと前の世代の「翼の折れたエンジェル」の系統にあるように聴こえます。(怒らないでね~)
内容も大体聴き取れたのですが、やっぱり歌詞を知りたくて探したのですが、検索に出てきませんでした。残念。

投稿: トネリコ | 2011年1月 9日 (日) 15時54分

トネリコさん、

怒るなんてとんでもないですよ。というか、こういう日本のハードロックは歌謡曲やJ-Popが無ければ出てこなかったかも知れません。

70-80年代の歌謡曲の質の高さっていうのは恐ろしいくらいで、バックにしてもこだわったものが多い。それに正しく影響された人たちは、「歌謡曲なんて…」という言い方は絶対にしない。良くわかっているんですね、その実力を。

投稿: ドイツ特派員 | 2011年1月 9日 (日) 16時40分

こんなにかっこ良いバンドが居たなんて。

80年代生まれの自分は知りませんでした。

是非、再発して欲しいですね。

後追いなので詳しく分かりませんが

今、聴いてもかっこ良いサウンドですね。

投稿: ☆shi☆ | 2011年3月28日 (月) 17時41分

☆shi☆さん、訪問有難う御座います。

良い音楽って、やはり年代を超えるんだと思います。ほんと、こういう音楽を埋もれさせたくないですね。それでも再発は難しいんだろなあ、と思ったりして一抹の寂しさを感じます。

投稿: ドイツ特派員 | 2011年3月28日 (月) 21時02分

お久しぶりです。wolfのミニアルバムと ROLL OVERは何とか入手して
聴きました。これは激しく感激しました。

Voと素晴らしいテク二ックのギターの融合に感動。

これは流石にもったいなすぎます。

再発して、今のギターキッズや若いリスナーに広まるべきですね。

もはや、レジェンドバンド級のサウンド。

投稿: ☆shi☆ | 2011年4月17日 (日) 09時00分

☆shi☆さん、

おお、手に入れられましたか!いいバンドですよねえ、本当に音源が出ないのは勿体ない。こんなバンドはまだまだあるんですが、やはり経済原則には勝てないのでしょうかね?

投稿: ドイツ特派員 | 2011年4月17日 (日) 13時17分

BLACK MASTER MOUNTAINっていうバンドで久しぶりに松本さんが歌うみたいです。

https://www.youtube.com/watch?v=GDKLmGspWW8

投稿: よっちゃん | 2017年1月20日 (金) 13時15分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 再発希望:「Some Aspects of the Moment」(Wolf):

« やっちまったの幻の名盤購入 | トップページ | さて、中国語開始になりそうです »