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2012年2月28日 (火)

エルピーダ破綻に思う

今日、日本で唯一のDRAM製造会社であるエルピーダメモリが会社更生法を申請しました。

エルピーダが会社更生法の適用申請へ、「日の丸半導体」が破たん

個人的には一時頻繁に訪問していたこともあり、非常に思うところがありますね。

元々エルピーダというのは、DRAMが稼げなくなった2000年に日立製作所とNECのDRAM部門が統合、その後三菱電機のDRAMもそこに加わるという形で今の形になった会社です。日本ではそのほかに東芝がDRAMを作っていましたが、アメリカはMicronに譲渡、日本ではフラッシュメモリに移行する中でその製造を止めて行きました。

で、このエルピーダ、かなり重荷を元の会社に置いていって設立されたはずなんですが、やはり日本でDRAMを作るのは難しかったのか、殆ど利益が出ない歴史で進んでいました。それでも、今まで存続していたのは、公的資金を注入したこともありますが、やはり社長の坂本幸雄氏の「どうしても潰さない」という意向と信念で進んでいたと思います。

ただ、この「潰さない」という信念が良かったのか、というのは検証されるべきことだと思います。坂本社長のその信念とか情熱は賞賛されるべきものでしょうが、それと経営判断は別物でしょう。以前NHKでも彼の行動を特集していて、そのときに何と生意気にも私がブログ記事を上げてるんですね(笑)。でも、意外とそんなに間違ってないかな?と思う。結局既に3-4年前に「勝負あった」状態だったんだと。しかも実はエルピーダが模索した提携先というのが、昔の仲間のツテだったところばかりなんですよね。まあDRAM自体が既に淘汰されていたからそうならざるを得なかったんだろうけど、MicronにしてもUMCにしてもかつて彼が働いていたところ。Powerchipは元三菱の技術だしNanyaの交渉はInfineonがDRAM止めてMicronに移ってからの交渉だし。そんなぬるい交渉で何とかしようとしていたのなら、思い切ってもっと早く会社を清算していたほうが良かったと(結果論ではなくて)思う。当時から「そんな弱者連合じゃ無理」と言われていたし、実はこの人はかなり前からその指摘をしています。

それこそ今にして思えばだけど、寧ろ思い切ってHynixと交渉していた方が面白かったかもしれない。いや、事業で「面白い」なんて失礼だし、独禁法の絡みを考えると難しかったかもしれないけど、対Samsungを考えればそれが一つの対抗策だったんじゃないかな?と思う。微細化自体はそこそこ進んでいたみたいだし、逆にHynixはそこが多少遅れ気味だったわけで。

でも、さらに言えば、こういうことって歴史の必然のような気もします。それは昔日本の自動車が「ジャパンバッシング」と言われるような抵抗にアメリカであったことが、今の日本で「韓国の国策での半導体保護はけしからん」という論調に重なる。で、韓国だってもう10-20年すれば、「アフリカはけしからん」とか言っているかもしれない。例えば日本がかつて銅の輸出国だったのを知っている人が少ないように、いずれは歴史の彼方になるのかも知れません。

それでも、やはり自分がある程度関わっていた会社がこういう状況になるのは余り楽しいことではありません。ということでつらつらと思うことを書いてみました。


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