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2012年5月16日 (水)

「何が」でなく「誰が」が重要なわけです

最近の企業では新入社員への訓示みたいなものでも、平気で「働け」メッセージを出してくるわけで、かなり腹立たしいことしきり。某ブラック企業と言われるところでは、こんなのが回っていたそうで。

「決して妥協しない仕事。週末を犠牲にしてでも取り組みたい仕事。ここではそんな仕事をすることができる」
「無難に人生を過ごしたい人はここには来ない」
「仕事で何かを成し遂げたい人がここにいる」

ったく、どっかの外食チェーンみたいな話ですね。

実はこれ、Appleの入社の訓示です。

で、笑っちゃうのは「素晴らしい」とか言っている人が山ほど居るということ。ワタミの従業員死亡の時には皆こぞって叩きにかかったのに。

いや、これの是非を問いたいわけじゃなくて、実際には「何を言っている」というのは人はあまり気にしていなくて、「誰が言っている」のだけに反応しているんだな、というのがよくわかると思うんですよ。

結局この文章に素晴らしいといっているのは、「土日も働いて気合が入って素晴らしい」じゃなくて、「あのAppleがこういってるんだから素晴らしい」という反応ですよ。私自身以前も言いましたけど、Steve Jobsの卒業スピーチでも何も感じなかったし、亡くなったことは残念だけどそれはどこかの経営者が亡くなったのとそれほど感覚は違わなかったわけです。これに似た話って、オバマ大統領のノーベル賞対象になったスピーチもそうです。それこそ「言うだけなら誰でもできる」わけで、たまたま言ったのがオバマ大統領だった、というだけで、あれでノーベル平和賞(まあこの賞の政治性をおいておいても)貰って金が入るんだから、何とも気楽な話だよな、と思っています。

最近色んなブログやツイッターを見ていて思うのは、非常に先端でモノを考えているような人が意外な程こういう「誰が言っている」というところに反応しちゃってるな、ということ。サムソンの素晴らしさを称える人が日本の長時間労働を批判したりしているわけで。言ってしまえば「ミーハー」な感じはぬぐえない。
(ちょっと脱線しますけど、長時間労働で言えばアメリカのインテルなんて凄いですよ。「ニッケルアンドダイムド」だったかな、「とにかく長く働いているように見せることが基本にある」と言ってますから。実際にその業界で働いたことがある経験から言えば、国で労働や考え方を分けるのは無理があって、そんなに単純に言えることじゃない)

こういうのって、少し有名人に人生相談する人に似てるな、と思います。考えても見れば芸能界の有名人なんて一番そんな相談に向いていない連中なわけで。あと、有名人が行ったレストランに行列ができるとか。食のプロでもないのに何故か「それが良い」と思ってしまうところだったり。

こういうのって、結構自分で考えていない、ということなのかな、と思うんですよ。いや、自分だってそういうところは恐らくあるだろうとは思います。それでも、それは本当に内容を見ているのか、実はその他の部分に反応しているだけなのか、ちょっと立ち止まりたいと思うわけです。

ま、立ち止まりすぎて前に進めていない人間が私なわけですが(涙)。

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コメント

う〜ん、実に当たり前であってほしい言及。難しいのはそれなら自分で考えて行ったことは納得感高いのか?と問われると、実はそうでもない、という矛盾の塊だったりすること。

要は人のふり見て我が身を振り返る、みたいなことのくり返ししかないんだなと。それで自分の意見を醸成するっつうか…、ま、それ言ってたらキリないが…。

なるほど、と考えてしまう面白い言及でしたんで、ついつい…。

投稿: フレ | 2012年5月17日 (木) 21時56分

フレさん、

確かに自分だけで考えた行動にどう納得感を持たせるか、というと難しいわけで、どこかに「権威付け」のようなものを欲している自分もいたりするわけですね。自分がどの程度かい?と言われると中々に辛いわけですが。

日々繰り返しですなあ。

投稿: ドイツ特派員 | 2012年5月17日 (木) 22時42分

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