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2012年8月25日 (土)

元同僚と飲んで来た

今、丁度ブリュッセルの空港へ向かうところで電車の中。気温は20度くらいで全くもって快適なわけです。日本の猛暑から逃げて申し訳ないな、と思います。

今回は年に二回の事業部報告会に参加したついでに、関係の人たちとの打ち合わせをするというのが目的で、一週間会社に滞在していたわけです。私は事業部付きとはいえ、アジアの端にいるアウトサイダーなわけで、こういう時がないと顔を付き合わせた報告など出来ないわけです。

で、それと合わせて、今年の組織改定で会社を辞めた(解雇された)元同僚のベルギー人と食事して、色々考えさせられたわけですよ。

そいつとは三年半くらいの付き合いで、凄く気の良いナイスガイ。明るい性格で嫌味なところが全然ないわけで、だから会社辞めても繋がってるんですけどね。辞めたのが3月末で、今回会ったら、「実は会社が決まって3日後が初出社」という話になり、祝杯ということとなりました。

「でさ、5ヶ月間結構きつかったんじゃねえの?仕事固まるまで」って聞いたら、「いやあもうさ、普通にやってて5ヶ月休みになるなんてないじゃない?良い骨休みだよ。収入?かみさんがフルタイムで働いてるし、まあ特に困ったことはないよ。ギリシャのコルフ島にもリゾートに行ったし、そのあとはベルギーで休みを満喫してたしさ。」ということらしい。とはいえ、その後の解雇にいたる話を聞くと、やはり忸怩たるモノ、きついモノはあったと思います。

結局その後更に二軒飲み屋をはしごしました。昔はね、「んな外人と気があって飲みに行くなんてあり得ないだろう」と思ってたんですが、誘った、ということは一緒にしゃべりたい、と思ってくれたのかな?だとすれば凄くうれしい話で。

あくまで彼とだけの話だからどこまでそれが一般的なことか分かりませんけど、いくつか思ったことはあります。

やっぱり、夫婦夫々で収入を持っているのは大事なことだな、というのが一つ。他の人に聞いても欧州で専業主婦というのは少ないわけで、こいつも子供は3人居るんだけど、やはり奥さんが収入を持っているのは大きい。日本で言われている解雇法の導入は、実はこの辺の収入源の多様化をすることが結構有効なんじゃないかな?と。だってそりゃ一人の世帯主収入だけでやってるところに解雇法なんて入れたらみんな萎縮するだけだと思うんですけど。

あと、人間関係のどろどろって、どこにでも転がっていることなんだなあ、ということですね。実は私は全然その辺に疎いと言うか、前職での痛手もあってあえて見ないように無視しているところがあるんですが、そいつがすっきりしていたのも当時一緒に仕事していたチームの上役との関係が良くなかったことだそうです。実はその上役とは私もよく仕事したり出張したりするんですが、自分自身は特に何も感じることはないというか、感じないようにしているんですね(実際に感じてないんだけど)。ただ、今回飲んでてとにかく「あいつと話すのは嫌だった」「すぐ政治的に動くから」「神経質すぎるんだよ、どうでもいいことに」とかなりの罵詈雑言。その前に今の同僚と打ち合わせしてやはり同じ評価なんで、まあ一緒に仕事すると難しい人なんでしょう。結構嫌味も言うみたい。で、よく「言いたいことを言う外資系」っていうけど、それって額面通り取ると大やけどしますからね。言っているようで結局は上司なり上役を追認する、って言い方ですから。よくある風通しの良い外資系、なんてのは幻想なんですよね。大体同じ人間がやっているわけで、寧ろ日本の方がそういうのは自由かも。

でも、最後に思った(というか、思いたい)ことって、「少なくとも前向きで普通にナイスな奴は、どうとでも生きていける」ということですかね。そりゃ転職にしても何にしても色んな本があるじゃないですか、「どこでも生きていけるように会社を替わってスキルを付けろ」とか「いや、終身雇用を最大限に生かして会社を変わるな」とか。私はこういうことにルールがあるような言説は全く信用しない。上手く行った奴はそれをルールの如く言う、ってだけでしょう。でも、もしあって欲しいルールがあるとすればここなんですよ。実際、自殺率が高い日本にしたって、大半の人は何とか生きている(私も含めて)。

よく言うじゃないですか、「元気を貰った」「勇気を貰った」って。私は偉い経営者とか飛び抜けたアスリートからそういう感覚を貰ったなんてことはない。本当に心に入るのは、私の元同僚のように普通の人間が言いたいことを押し殺して飄々と、何とか生きているのを知った時。そこを拠り所にできるようにしたい。

こんな普通の話なんて偉い人、頭の良い人には何も関係ないことなんだと思う。でも、こちらはそういう普通で何の変哲もない、吹けば飛ぶような中で何とか生きているわけで、「でも、何とかなるよ」ということが一番のルールになって欲しい、なるようにしたいんですよ。

ま、でもその失業者におごってもらったわけで、すげー金持ちかも知れないけどね(笑)。

Dsc_0780

おごってもらったロブスターだす♪

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コメント

ドイツ人女性のBarbara Berckhanという方が、日常生活で、特に言葉によるコミュニケーションでつらい思いをしている人たちを対象に何冊も本を書いていますが、彼女は「東洋の格闘技(恐らく合気道)のように、相手の力をうまく利用して言葉の暴力から自分を守る方法」を提唱しています。「ドイツでの学校や職場の人間関係はあっけらかんとしている。何かを言われたらこちらも言い返せば良い」と書いてある、ドイツ人著者による日本人向けの本を読んだことがあります。しかし実際にはそう単純ではなく、ドイツでも人間関係に疲れている人がたくさんいるということをBerckhan氏の著作は示しているように思います。こうして日本の護身術にヒントを得てドイツ語で本を書いたBerckhan氏の著書が、今度は何冊も日本語に翻訳されているのを見ると表面的な文化の相違はあっても、同じ人間同士で似たようなことで悩んだり苦しんだりしているのかなと感じます。逆に同じようなことが嬉しかったりもしますよね。

投稿: furoshiki | 2012年8月25日 (土) 20時56分

furoshikiさん、

結局同じ人間がやっているわけで、ある程度の色みたいなものはあっても、やはり同じ部分の方が多いかと思います。サッカーの話で、ある評論家が「あれだけ自己主張が強い欧州サッカーでも、正しい『謙虚さ』というのは大事だし、そこが武器になり得る」と言っていましたが正に同感です。そんなことを信じていきたい、と思っています。

投稿: ドイツ特派員 | 2012年8月29日 (水) 22時04分

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