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2013年3月16日 (土)

突然変異:「DREAM/ヒカリとカゲリ」(Mahatma)

もう音楽を40年くらい聴いているわけで、それなりに蓄積が出来てきて、「このバンドはこういう音楽を聴いてきたんだろうな」というのがある程度予想できるようになっています。影響とかもそれなりにわかるし、それは後からインタビューとかを読んでもそんなに外れないことが多いです。

でも、中にはどうにもその辺のルーツが分かりにくいバンドというのもあって、それが以前も紹介した群馬のミクスチャーバンド、Mahatma。で、今回三曲いりシングルを出したんですね。
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ちなみにベースはLIGHT BRINGERのHibikiが弾いてます。

以前もレビューしましたが、ミクスチャーというのはジャンルとしてではなくて、本当に色んな音楽が背景にある、ということです。演奏は物凄いテクニックで、ここまでプログレッシブなのに所謂「プログレ」というジャンルからまた逸脱してるんですよね。

とにかくこのシングルはM1「DREAM」です。美しいメロディーを軸にして、高いテクニックで音楽を固めてます。ただ、物凄く出来る連中なのにソロプレーが少ないんですよ。その癖テクニックの高さはバッキングからでも主張している。これって本当に難しいし、逆にそういう所で上手さが分かるというのは本当に上手い証拠だろうと思います。この曲でもキメのフレーズのキレ・音の合わせ具合を聞くと只者じゃない。ドラムのHidekiの上手さは言うまでもなく、全体を包むように統一感を与えているRiekoのKey、で、ソロ絶対に弾きまくれるはずなのにそこに行かずしてメロディーでもしっかり存在を示すTsubasaのG、本当の意味で進歩的なプログレッシブさじゃないかな?Hibikiはしっかりブリッジで早弾きを決めてますな。こういう音楽聴くと「プログレ?ハードロック?J-Pop?」ということで、ジャンル無しを痛感しますねえ。

で、やはり中心はNanaのヴォーカル。この「DREAM」の声、ちょっと面白くて、元々は比較的浮遊感を感じさせる歌い方のはずなのに、わざと強く歌っていて、それが曲に合ってるな、と。強くといっても「以前より強さを感じる」という位なんですが、その微妙さが良いな、というね。1:43あたりの「妨げてきたんだろう」、2:53あたりの「身を削ってでも」というあたりの歌い方ですね。あとはメロディーが良いから複雑なバックでもとても聞きやすいです。
M2「ヒカリとカゲリ」はもう少しスピード感がある曲。相変わらず演奏はえぐい仕掛けのオンパレード。ブリッジのリズム隊って何なんだ?多分Hibikiは楽しかったと思いますね、これだけリズムを仕掛ける中でベース弾けるんだから。全体の高いテクニックは「DREAM」と同じで、この曲もソロ、というのは無いんですね。実はこれはこういう演奏重視のバンドでは凄く珍しいことかもしれません。
ただ、Nanaのヴォーカルはこの曲ではちょっと不安定かな?音程が取れてないところがあって少し残念。あと、「DREAM」もなんですけど、英語の歌詞かな?この二つは次のアルバムで是非改善して欲しい点ですね。本人達が一番分かっているだろうし、大丈夫、軽くクリアしてくれると信じてます。
正直なところ、メンバーはどんな音楽聴いてきたのかとても分かりにくいですね。それはとても面白くて楽しいことで、だからこそこんなジャンル分けも出来ない音楽が出て来たんじゃないかな?多分物凄く深入りしたバンドや音楽がなくて、自分たちで熟成していた時間の方が圧倒的に長いと想像しています。経験に引っ張られないような感じですね。流れから逸脱して出てきた突然変異のような音楽だと感じます。
もう一つ、もう「日本人離れした」とか「外国でも通用する」とかという言葉は要らないと思う。私は日本人だから日本語がすんなり入ってくるのはあると思うけど、もうそこに音楽としての壁を設ける必要は無いんじゃない?そりゃ日本人には出せないものがある、というのは理解してますけど、その代わり日本人にしか出せないものもあるだろうし、それ以上に人種を超えた個人の個性が重要だと思うんだよなあ。
ということで、この「DREAM」がヘビロテになっている今日この頃であります。

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