放射能報道で正しいことは何か分からない
相変わらず福島第一原発の事故は終息ということにはなっていません。現地の方、避難されている方、いつになったら事がハッキリするのかが判らないというのはどれほど辛いか、と思います。決まってしまうより宙ぶらりんの方が心は厳しいのではないか、と想像します。
ただ、まだ相変わらずというか、いい加減と思える話がおかしな形で流布するのには閉口します。例えば今回こんな記事が流れてきました。
この内容、前後がおかしくないですか?
最初に五輪招致に絡んで、安倍首相と猪瀬都知事が「東京の放射能水準はNYやロンドンと変らない」「福島とは違う」と発言した言葉を批判的に引用しておいて、その後はそのNYやロンドンの比較ではなく、国内の汚染度として「東京が三番目に汚染されている」という話にすり替わってます。で、更にその水準が「健康影響を及ぼすものではない」と言っているのに、やたら「東京は三番目に高い」というのを強調している。で、最後まで他の都市との比較は出ないわけですよ。何だか趣旨が良くわからない。
で、ちょっと他の都市の放射能量という奴を調べて見ると、
って奴があります。これを見ると確かに東京というのは他の都市よりも放射能は少ない。いや、少ないから良いとは言わないが(あるというのは事実だから)、おぞましいほどの危険は今はないと見ていいんじゃないか?このリンクって、実は批判的に書き出したものの、それを裏付けるものが無くて途中で変えてしまったのかな?と勘ぐってしまいます。
問題は、先のFGWというリンクを幾つかの人が「こんなに東京は危ないんだぞ」という煽りのために紹介していることなんです。「俺達を殺そうとしている」という感じでしたが、ちょっと待って欲しいと思います。このリンクだけで言えば「放射能はあるけど健康に影響しない」とも読めるわけで、要は紹介の仕方なんですけど、やっぱり出てきているものを恣意的に使っている感は否めない。
冷静に、というのは、こういう比較(測定方法などの詳細も含め)を専門家と言われる人たちが自分の主義を超えてちゃんと行なって、現状とあり得べき将来を把握することだと思うんです。それこそ、必要以上にストレスを溜めてしまって病むこともやはり同じ被害だということ。事実として、他の放射線量の高い地域で人が普通に暮らしていることをどう考えるのか?これからこの放射線量がどういう挙動を示しそうなのか?その時に現実的な対応は何なのか?そういうことをすっ飛ばして、「絶対に安全だ」「数年後は屍だらけ」という議論をしても同じくらい空しい。
今回の一番の罪は、こういう判断が出来ない、何が起こるか分からない将来の時限爆弾のようなものを持たされた事だと思うんです。私は今の状態であれば少なくとも東京地区では大きな健康被害の増大は起きないと思っているんですが、それも将来どう変わるかなどは、明確には分からないでしょう。ただ、「東京も危ない」という人たちの多くがそのまま東京に残っているのは何故なのか?という疑問はあります。
これが私が片手間に調べたことであり、本当のことは分からないでしょう。あとは個人の判断、というのも専門家でない人間には余りにも厳しい選択です。更に、数値が不確かなものを出している東京電力もいい加減にして欲しい。あれでは日々何とか電力を繋ぐために頑張っている現場の方々が浮かばれない。
私は元より原発には反対だし、以前の東海村で高濃度被爆された方々がどのようなことになったかを知るに、やはり放射能というのはまだいざという時に制御が出来ないモノだろうと思うんです(火力や水力と違うのは、こういう事故の際の時限性の有無です)。ただ、だからと言っていい加減に思いつきで煽る、などというのはこれまた同等に罪深いのではないか。
印象でなく、分かる人の事実が知りたい、と思う今日この頃です。
私は元より原発には反対だし、以前の東海村で高濃度被爆された方々がどのようなことになったかを知るに、やはり放射能というのはまだいざという時に制御が出来ないモノだろうと思うんです(火力や水力と違うのは、こういう事故の際の時限性の有無です)。ただ、だからと言っていい加減に思いつきで煽る、などというのはこれまた同等に罪深いのではないか。
印象でなく、分かる人の事実が知りたい、と思う今日この頃です。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント