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2013年12月 9日 (月)

少し突っ込んだ感想を:「Continuation of the Dream」(Tears of Tragedy)

さて、自分のライブもそこそこに今聴きまくっているのが前も上げたTears of Tragedy(以下TOT)の「Continuation of the Dream」。いやあホント、ここまで凄い作品が出るとは、という感じですね。

その後、更に聴いていって色々と新たな発見があったので、もう少し感想などを書こうかな?ということです。

M1「Continuation of the Dream」のSE的な曲から、既にHaruka嬢の空気感が全体を覆っています。そして直ぐにスピードナンバーのM2「Euclase」へ。かなり転調が激しいにも関わらずスムーズなんだよな。ソロ前のメジャーに切り替わるとこなんてゾクっとしますよ。

M3「Stay With You」はTOTにしてはミディアムテンポなポップナンバー。これは結構無理なくスムーズな曲ですが、ブリッジでマイナーに落とし込んでからまたメインって少しドラマ入れてますねえ。Haruka嬢の声は意識的に少し軽くしてる気がします。

そこから前半のハイライトM4「Rebirth」。ライブでは何度か演奏されてましたが、こうやって改めて聴くといい曲ですよ。イントロから激ツーバス→ギターソロ。この曲のHaruka嬢の歌は強いです。こういう歌い方は前のアルバムにはなかった。強いといっても直線で来るのではなく、曲の全体を包むような面に近い感じ。シャレじゃなくて、「はるかはるか遠い」という歌いまわしは大好きです。で、そのまま以前発表されていたこれまた名曲M5「It like Snow...」。これね、ソロ後のヴォーカルとピアノのアレンジがもう美しくて、正に雪が舞い降りる感じ。

更にですよ、ここから明るいM6「Spring Memory」なんですが、こういう曲のHaruka嬢の少しハスキーな声がポップさを適度に中和していい感じです。で、歌詞を見るとアルバム全体に「過去と未来の時間」っていうのを意識している感じです。で、少しヘヴィーなイントロからM7「Another World」へ。多分歌うのはどの曲も難しいと思うんですが、そう感じさせないんだよな。この曲の「Scared to reality」「Travel in Silence」のところはライブでコールアンドレスポンスだな。この曲のGソロの展開は好きだなあ、途中の転調がね。
で、歌詞について、英語を無くしたのは個人的に大正解だと思います。その歌詞も「文章」でも「単語」でもない、音楽を伝えるための「歌詞」になっているのが素晴らしい。

そうして、今回私が一番のキラーチューンだと思っているM8「Falling Star」。もう問答無用のカッコよさってこのことでしょ?歌詞、演奏、曲、全てがキラーチューンです。演奏のキレたるや凄すぎ。ソロはスリリングだし♪

僕の瞳がもう少しだけ多くを見れたらすぐに 君を見つけてあげられたのに

この歌詞の部分が大好きなんだよな。

そしてそして、更にクライマックスってどうよ、という大作のM9「Prison of Abyss」。大体こういうバンドの大作って長いだけで正直ダレることが多い。ところが、この曲、Hayatoの作曲と構成の凄さ、ゲストのソプラノ明日香とデスボイスDougen・バリトンのHayatoの組み合わせの妙と飽きさせない。悲劇を舞台とした歌詞が叙情詩のように変わっていきながら、夫々で聴き所が続くから知らない間に終わるという素晴らしさ。デスボイスも正に天使と悪魔という趣きで必然性があるし、何しろあのDougenですから、キレがよく合うんだよな。

そして本編最後のM10「VOICE」、軽く終わると思うじゃないですか、これがまたクライマックスがあって、ソロのメジャー転調の悶絶というね。メジャーな号泣フレーズで光が差し込むような構成、これも凄くいい曲なんですよ。で、ボートラはアコースティックの「星の砂」、これもボートラには惜しい小粋さ。

ということで、とにかく一切の捨て曲はありません、言い切ります。更に音から伝わる気合、正に「化けた」という気がします。曲順も凄く考えられているし、「整合性のあるバラエティーさ」というこういうバンドが直面する一番難しい課題をクリアしています。あと、前も書きましたが、TOTの音楽は極めてシリアスだと思います。それはダークな曲でもポップな曲でも同じで、極めて真面目な音楽。パーティー的な要素があるのが悪いんじゃなくて、TOTの個性としてこういう方向はいいんじゃないか、と思います。それはHaruka嬢の声が実は凄くシリアスなものだから、ということにもよるんじゃないかな、と。

注文はあります、一つは少し曲の入りなどで感じるシンバルの濁った感じの音質、あとはやはり英語ですね。特に後者は気になるとずっと気になるものだから、凄く注意したほうがいいと思います。

なんていうのも今後もっともっといい作品にして欲しいから。これね、少しでも気になったら買って欲しい。日本が、とか、海外とか、なんて全く関係のない素晴らしい作品。若いメンバーが本当に持てるものを全て出した作品だと思います。

こういう素晴らしい作品が少しでも認知されて欲しい、本当に本当にそう思います。

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コメント

先日のライブではAnother worldのあの部分は同期を流した上で客席にマイクを向ける感じでした。

投稿: ネタばれ有り | 2013年12月 9日 (月) 23時19分

すごく伝わってくる解説ありがとうございます。
自分もアマゾンのレビューに書いたつもりだったのですが、うまくアップできず消えてしまいました。きっと他の方が素晴らしいレビューを書いてくれると信じて(苦笑)

音が各段によくなっていますよね。メロディが伝わってくる音作りになっていると思います。前作はリズム隊というより低音が強くて(リズム隊がサポートの方だったので気を使ってしまったのかなと勝手に想像してますが)、それでも十分に良い音であったとは思いますが、今回はすごく聞きやすくなっていると思いますね。
また、It Like Snowも配布バージョンと比べると歌詞も聞き取りやすく、言葉を大事に伝えようというのをすごく感じます、これも日本語メインの効果かなと思います。ギターソロも

しいて弱点を挙げるとすれば一聴するとリズムが似ている曲が多いことですかね(よく聞くとそうではないのですが)
次のアルバムではピアノをメインとしたパワーバラードで歌い上げる系の曲を期待したいと思います。タワレコのアコースティックもどんな曲やるのかかなぁり気になります

投稿: matrock | 2013年12月10日 (火) 00時39分

ネタばれ有りさん、どうも有難うございます。でも、それでも充分楽しめそうです♪

投稿: ドイツ特派員 | 2013年12月15日 (日) 21時04分

matrockさん、過分のお褒め、有難うございます。

リズムの似ている部分というのは、こういうバンドでの宿命かも知れないですね。そこでどれだけバラエティーが出せるか、私はギリギリでバラエティーが出せてるのでは、と思っています。

もう次のライブが楽しみで仕方ありません!

投稿: ドイツ特派員 | 2013年12月15日 (日) 21時06分

事前の評判以上に実際に聴いてビックリしましたよ!

1stは確かBaもTORUさんが弾いていた覚えがありましたので、今回は初の5人体制での作品ということで色がかなり変わりましたね。(中心は良い意味で初期メンのHARUKAさん、TORUさん、HAYATOさんだと思いますが)

HARUKAさん歌唱、表現力も格段にパワーアップされてますし(VOICEでの最後に交わしたの部分で涙腺崩壊でした)この儚さとシリアスさの整合がHARUKAさんの魅力ですね。

10分を超える大作のPrison of Abyssを考えたHAYATOさんは凄すぎますね、音楽の神様が降臨してきたかのような衝撃展開で全音楽ファンの度肝を抜かせる曲だと思いました。

星の砂のTORUさんのギターの音色とても美しかったです。曲順も本当に何週も聴きたくなるように非常に練りこまれていますよね。

特派員さんのプッシュする音楽凄すぎて恐れ入ります。

投稿: タケ | 2013年12月28日 (土) 23時20分

後、書き忘れてしまいましたがシンバルの濁った音は私も最初は気になりました。楽曲が良いので聴いている内に慣れたと言いますか気にならなくなりました。

度々コメント失礼致しました。丁寧でわかりやすい解説ありがとうございました。

投稿: タケ | 2013年12月29日 (日) 00時23分

タケさん、有難うございます。

ほんと、全てにおいて向上しているし、とても高い水準のアルバムだと思います。全体が美しさで囲まれているような、稀有なアルバムだと思います。まだまだ音質含めてよくなってくれると思います♪

投稿: ドイツ特派員 | 2013年12月31日 (火) 17時02分

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