だからライブ:Octaviagraceライブ@吉祥寺Crescendo
ライブはスタジオではない
という当然のこと、昨日は味わってまいりました。
まずは先日のアルバム「Resonant Cinema」の一曲目から「Dramatic Quiet」でスタート。イントロのシーケンスフレーズから、ですが、ちょっとギターが聴きにくかったかも。
あれ?ボーカル良いじゃない?
実はすげー不安だったんですよね、ボーカルの実稀。CDでは不安定さがあって、やっぱり気になってましたから。ライブですから仔細に聴けないところがあるんですけど、それを差し引いてもCDより安定しています。声もCDより太い感じだし、見た目は物凄く小さいんですけど、歌っている姿はもうフロントそのものですね。
そのまま二曲目は「Hardenbergia」。少し暗い疾走系の曲ですが、これもボーカルの良さというか、安定感が増しているのが良いなと感じます。正直、「じゃあCDでもやってくれよ!」という思いもありますが、ライブの方が数倍楽しめるというか、歌詞も判りやすくなってます。
で、既に新曲というか、そりゃ5曲じゃ場が持たないでしょうからw、「追想列車」と名付けられた曲です。ちなみに中身は殆ど覚えてない(苦笑)んですが、陰影のある少し俯きがちな曲調だったと記憶してます。いや、これは全然否定的な意味じゃなくて、バラエティという点では寧ろプラス。
バンドサウンドですが、ドラムのKo-ichiとベースのYouskeは付き合いが長いからか、凄く良いコンビですね。またこのKo-ichiのドラムが何というか飄々と凄いというか、全然動かないのに出音の数が凄いんだよな。で、その上でYouskeのベースが暴れる暴れる。ピック弾きでブリブリというベース、初老にとっては昔のロックスタイルって感じなんですが、若い人には新鮮かも。で、何故かバンド内でも「様」付けで呼ばれているKeyのReanneはそりゃ忙しいっていうか、常に何か操作してる感じ。音の色付けは彼に掛かっているからでしょうが、Keyの動きは効果的だと思いますなあ。
ここでMC、誰かがある言葉を発したら、「いや、それは別のバンドのことで」とたしなめた後(笑)、アルバムで一番プログレの香りが高い「ラストノスタルジア」、リズムが変わるところは少しばかりスリリングではありましたが、演奏能力はやっぱり高いなあ。今の若い連中ってこの程度は軽くやっちゃうんだよね。やっぱり実稀のボーカルは(多少疲れや不安定さはあっても)アルバムより魅力的。元々、「声が上手い」というか、そんな印象のボーカルですから、そこである程度の安定が出れば良いわけですよ。続く「茜」、ある意味Octaviagraceを一番表わしている曲だと思っているんですが、CDよりハードになっていて、聴き応えが増してます。途中でボーカルが浮き出すパート、良いなあ。
などとだらだら書いてますが、何しろ個人的にはギターのhanakoが大収穫。このギターサウンドとプレイと佇まい、最高。高くギターを構えてクラシックタイプのフレットに平行に動く運指、全くアクションなく殆ど表情も変えずにストイックに弾く、生々しいギターサウンド、突っかけてくるフレーズ、全てが物凄く好み。最初はよく聴こえなかった部分も尻上がりに良くなって来ました。CDではリズムが結構突っ込んだりして、これもライブで不安があったんですけど、巧いし、すげーテクニカルなフレーズもこなしていて、相当練習したんじゃないかなあ(プロに失礼ですけれど)。正直変にアクションや表情をつけるより今みたいな弾き方の方が寧ろ存在が浮き出すと感じますね。
MCを挟んで更に新曲二曲、「Aurally Lover」「cope of midnight」と続きます(ちなみにセットリストは後で見せてもらいました)。シャッフル系の曲がどっちだったっけ?幅を広げるには凄く効果的な曲になりそうですね。この曲に限らずですが、楽器隊、特にKeyとGを見ていると、「何もそんなに変に動かさなくても。。。」と思うくらいへんちくりんに動いてる印象、聴いた感じよりかなり凝った曲作りしている気がします。
そして個人的にもキラーチューンだと思っている「ロストモラトリアム」、MCは噛んだがw、演奏と曲は本当に素晴らしい。歌詞も大好きですね、この曲。だからもう少し単語の切れ目なんかを工夫したらもっと良くなるんじゃないかな?それで再度レコーディングして欲しいくらいの良い曲。
最後、アンコールが掛かって、Youskeが「やる曲無いのはわかってるんで、同じ曲やります」ということで再度「Dramatic Quiet」を。これ、最初より音は薄くなった気がしたんですが、各パートの音はこちらの方がはっきりしてより骨格が見えてきました。
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