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2015年8月26日 (水)

正統の中の歌はどうなるのか?:「Anecdote of the Queens」(Nozomu Wakai's Destinia)

人は対峙しなければならないときがあるわけです。。。。。

別に大したことではなく、我が愛するLIGHT BRINGERの活動休止から、本格的に動いている我が歌姫であるFukiが参加した、正統派メタルギタリストNozomu Wakai's Destiniaの新譜を聴いているわけですよ。
私の世代だと、Blizzardの松川ランにそっくりですよね、彼。

一枚目のソロにもFukiは参加しているのですが、あくまでバックコーラスで、このアルバムでは、もう一人の女性ボーカル榊原ゆいとリードボーカルを分け、一曲は二人でツインボーカルです。

その他の参加ミュージシャンは、ベースに寺沢功一、ドラムに宮脇ジョーという、メタル界隈御用達のリズム隊にやはりLIGHT BRINGERのMaoがKeyで参加。技量的には何ら問題がないですね。で、予定を延期してまで入れたボーナストラックにインペリテリのロブロックがボーカル参加。で、ミニアルバムとは言え全6曲+ボーナス1曲、昔なら普通のフルアルバムのボリュームですね。もう一つは全曲英語ということで、その辺もこだわりがあるんでしょう。

まずは曲なんですが、極めて正統派、と言っていいでしょう。こう来るな、というとこう来る、っていう全くもって忠実な曲作り。40代以上のLAメタルやジャパニーズメタルをを聴いていたメタル好きならすんなり体に入ってくる音楽。ある種の安心感というか、落ち着きがありますな。

さて、当然のことながらその中でFukiはどう歌うのか、もう一人の榊原ゆいとの対比や、同じ曲を歌い分けるロブロックとの聴き比べなど、色々とあるんですよね。

M1「Breaking the Fire」はその正統派の中でも、「スピードチューンかくあるべき」という曲。ボーカルはFuki。うん、やっぱり上手いよね、そつなくこなしてますよ。英語の問題はある(というか、何歌ってるかよくわからんw)んですが、それは割と音として聴こえるから気にならないんですが、やっぱり英語に引きずられるからか、はみ出した歌じゃないですね。カチッとはめて歌ってる。

M2「I Miss You」はもう一人の榊原ゆいの歌。スピードチューンじゃなくてアップテンポなポップさもある曲。イントロのMaoの荘厳なキーボードに続いての、重い音のドラムが特徴的。歌はFukiよりアンバランスさはありますが、これはこれで面白いバランスと思いますよ。ドラムはちょっとうるさいですけど。

M3「Love to Love」はまあマイケルシェンカーへのオマージュでしょうね、曲名とギターの音とプレーで。Fukiのボーカル、何と言うか「Monument」の頃にいくつかやってた力を入れない歌い方。曲も隙間が結構あるんで、それにあわせたんだろうと思います。それにしてもサウンドが整理されてない所が惜しいなあ。至る所から音が出てくる感じ。

M4「Until that Time」はこういうバンドが必ず入れてくるタイプのバラードだと思います。オーケストレーションとピアノを中心にして、そこにロックフォーマットを乗せるという。二人がボーカルを分けていますが、さすがにこういう曲調での英語は厳しいなと。で、意外と二人のボーカルスタイルが似ているというか、違いが分かりにくいですね、私には。

M5「No Surrender」でまた正統ハードロックに。Fukiのストロングスタイルのボーカルで始まるこの曲なんですが、途中のドラムがなあ、手数で歌を邪魔してる。でも、一番彼女の美味しい音域での歌がこのアルバムでは聴けるんじゃないかな?それでも歌い方は軽い気がしますけどね。

M6「Rock is Gone」が本編最後。ドシリとした重い曲調の曲なんですが榊原ゆいのボーカル。この曲は実はFukiの方が合うんじゃないかな?という思います。でも、ロックやメタルって声じゃないですが、この榊原ゆいも本当に歌が上手いな、と。

ということで、凄く「ちゃんと作った」アルバムだと思います。個人的には音作りがもっと整理されれば、とか、英語はやっぱりちょっと厳しいかな?とかの思いはありますが、特に批判するところがないアルバムだと思いますよ。





Fukiに「女神で姫で天使で妖精のFuki様」を求めなければ、ですが。




もし、私が彼女を知らずこのアルバムを聴いていたら、普通に「良いよね」と思っていたと思います。落ち着いたハードロック(という年齢にもなっているわけで)で本当に安心して聴ける。

で、正にその点が一番の問題だと思うんですよ。彼女のはみ出し感というか、弾けたものが全くない。それはもしかしたら幅を持たせるための段階だったり、あえてその機能を全うしたからかもしれませんが、


これじゃないんだよ!



という個人的な思いが寧ろ強くなってしまう。それって、彼女の歌い方もあるんですが、実はそれより英語より、曲のメロディラインと曲調に起因しているんじゃないかな、と思うんです。その思いは、M7のロブロックバージョンである「Breaking the Fire」を聴くといっそう強くなるんですよね。一聴すると迫力も凄い、そりゃFukiバージョンが霞むくらい。でも、彼の歌を知っている身からすると、これもやっぱり少し違う感じがするんですよ。だから恐らく彼女以外のハイトーンボーカルが歌っても同じだったんじゃないか?寧ろ中音域に強いボーカルが歌ったほうが曲が生きる気がするんですよね。
重ねて言います、正統派のハードロックやメタルが好きで、英語が気にならなければ物凄く楽しめるアルバムだと思います。これだけ聴いたら二人のボーカルもロブロックも「すげー!」と思うと思いますし、過去のFukiから違う面が出ているから、そこに新しい魅力を見出すことも出来ます。この辺は自分の思い入れがすれ違ってるだけなんで。


ほんと、個人の好みっていうのは厄介なもんですよ。。。。

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コメント

まぁ、これに賭けてるか、ってのが見えるかどうかでその辺の意気込み感は見え隠れしてた気もしますが…。どれもこれもあの凄まじさを再現する楽曲に至らない現在、どうにも勿体無いですなぁ〜。

投稿: フレ | 2015年8月26日 (水) 21時51分

フレさん、

そうなんですよね、今日ライブがあって良かったようですけど、良い、では不十分なんですよ。図抜けた凄さとかがないのがねえ。。。。

投稿: ドイツ特派員 | 2015年8月30日 (日) 22時58分

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