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2015年8月 7日 (金)

元気付けられたこと

もうそれほど先に何があるかどうか判らない年齢になってきた訳で、少し前まで持っていた願望、とくにビジネス的なものについては、かなり諦めています。会社を替わり、その変わった会社が色々と変わり、自分の居場所があるだけでも幸運、という感じになっています。

とはいえ、いつクビになってもおかしくないのは今の世の常、ましてや外資系である私にはいつも背中合わせの恐怖です。既に半世紀の人生ですから、ここで職を失えば、路頭に迷うことははっきりしています。
そんなことばかり考えている今日この頃、少し光のある話がありました。

今から数年前、まだ転職する前に会社から命じられて、とある外郭研究会に所属していました。そこは、色々な企業から「新規事業の立ち上げはどうあるべきか」という命題を持った人たちが集まって、自分の置かれた立場や悩みをぶつける、というものでした。私にとっては、そこでの人の出会いというのは実はかなり大きくて、もしこの研究会に所属していなければ、多分転職など考えていないと思います。

そこで色々な人に出会って、今でも仲良くしているんですが、その中の一人の方と良く飲み食い含めお付き合いしています。私より8歳年上ですから、もう還暦が近い方です。その方、名前を言えば誰でも知っている名門企業に勤めていらっしゃったのですが、会社のリストラ策への抗議もあり、確か6-7年前に何の当てもなく退職されたんですね。奥様は大反対されたそうですが。やりすごせば定年まで居られるわけですから、それも良くわかる。それでも結局退職されて、

「宅配のバイトと塾の講師は何とか登録できたよ、ははは」

と言っているうちに、色んな関係から某国立大学の特任職に。で、それも二年ちょいで退職、そのまま

「英語勉強するわ」


と、フィリピンに半年ほど留学して、

「いやあ、ここに決まりました」


と、何と60前で立派な一部上場企業の企画職へ。

何というか、普通有り得ないですよね。それはご本人の資質と努力の成果ではあるんですが、それでも私のような、何らそういう機会を捉えられるであろうモノをもっていないと思っている人間にとっては、「凄い!」としか言いようがない。
この方はやはり「人」を大事にされてらっしゃる。元々会社を辞められたのもその「人」を大事にしない事への怒りだったと記憶しています。それは「信念」というものかも知れませんが、自分が譲れないものをしっかり守る、そのためには一時の犠牲も仕方がない、ということであろうと勝手に思っています。ご本人も「縁があったから」と仰っていましたが、人を大事にしていると、必ず何とかなるんじゃないかな?と。
このことだけで、「だから『やらない』より『やる』が大事」という風に簡単には考えられません。挑戦というのは、その動きではなくてその難易度ととりうる責任のバランスですから、もしかしたら動かない方が挑戦かもしれない。でも、この方の場合、動いて、リスクを取って、ご家族を説得して、自分の能力を上げることで次のステージに行ってらっしゃるんです。

私自身は、特に能力もなく、のんべんだらりと日々生活しているどうしようもない人間です。愚痴も多い、悩むことも多いくせに解決できない、仕事はできない、もう何重苦だか(苦笑)。この方も当然色んな悩みはお持ちだったと思います(ちょくちょく聞いていた)。でも、それを解決することで前に進んでいるわけで、できる人は年齢関係ないんだな、と。

やっぱり、「前を向いて少しでも現状から良くする」という態度は大事なんだな、と強く感じますね。年齢は関係ないんだよな、多分。

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